*****は そうして眠りについた
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/02/08 02:44:00
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あぁ。おわってしまう。
と、金平糖がユラユラ揺れるピンク色の宇宙の端っこで、*****は考えた。視線の先にあるのは真っ青な惑星。定期的にチカチカピカピカ発光している。どうにか救ってあげかったれけど、生まれたばかり故になんの知恵も持たない彼女にはどうすることも出来なかった。宝物が壊れゆくのをただひたすら、見つめることしか出来ない。体育座りをしているために口元に近い膝小僧に軽くチューっと吸い付いてみる。…なんだかしょっぱい。少しだけ腫れた瞼の彼女の瞳は、まだあの惑星を捉えたままだ。発光するタイミングがどんどん短くなってきて、それが、踏切の警報と同じくらいになった時、諦めたように、彼女はたゆたう身体を中途半端なブラックホールへ沈めた。遠くに住んでる仲良しの烏がカァと鳴いて、小さな爆発音が辺りに反響した。
(目が覚めたら、後片付けを頼みにいかなきゃな…)
それを想像して泣いてしまった*****の意識がなくなるまで、あと3秒。
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