春の陰
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/03/20 09:29:19
夜が明けた
一睡もできずにベッドの上で
今日もまた暖かな1日だろう
季節外れの気温が
眠る花の目を覚ます
季節は一歩ずつ進んでいって
夜明けの時も進んでいって
切なさだけがあとに残されて
私の心を覆ってしまう
陽の光は入ってこない
どこに行ってしまったのだろう
あの笑顔とはしゃぐ姿は
あなたのたばこを吸う仕草が好きだった
どこへ行くのも楽しみだった
でももうあなたはいない
寂しさとか悲しさとか
そんなものじゃない
今 私が感じているのは
あのあなたのぬくもりだけ
繋いだあなたの手の大きさだけ
あやまらないで
あなただけのせいじゃない
私がいけなかったのかも
あなたを孤独にした
だから今 孤独なのは私
積み木を建てるように
愛を育んでいった
壊れたらしれでお終い
とても怖かった
その日がやって来るのが
泣いて泣いて
涙か枯れるほど泣いて
いつしかあなたに抱きしめて欲しくて
でももうそれは出来なくて
私はどこへ行けばいいの
そこまで来ている花の季節
あなたと一緒に見たかった
でもそれももう出来ない
春を失った私の心には
薄暗い陰しかないから
そうですね。暖かくなりつつありますから。
そこまで来ているのでしょうね。