Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


ビネンホフ、オランダの国会を見学しました。


今日は、デン・ハーグ観光の目玉、
ビネンホフ見学です。

でも、ガイドの人の発音を聞くと、
ビーネンホーフという表記の方が、
オランダ語本来の響きに近いような気がします。

ここは、オランダの国会です。
そして、事前予約をしておけば、
ガイドに連れられての国会見学ができるのです。
もっとも、見学ができるのは、国会は休みの日のようですが。

オランダ語でのガイドなので、
オランダ語がわからないのは、私一人。

それで集合場所の受付に、
せめて英語でのオーディオガイドとか貸してもらえないか聞いてみたところ、
おおお~、貸してくれました。

日本語で書かれた簡単な紹介文もくれました。
英語のオーディオガイドの概略を記した文章もくれました。
私の第一印象だけで言いますが、オランダ人って親切です。

ビネンホフの古い建物の中にある上院と、
ビネンホフに隣接する形で新しく作られた下院を、
1時間半程度で見学するツアー。

昨日の時点で気がついていたのですが、
ビネンホフの中庭は、誰でも自由に入ることができます。
というか、通勤通学の自転車がスイスイ行き交っています。
日本の国会議事堂のように、閉ざされた空間ではないのです。
もちろん、警察の姿はありますし、
政府の要人を待っていそうな車も見かけるのですが、
そんな光景の側を、何のセキュリティチェックもなく、
通り過ぎていくことができます。

まず、上院を見学。
上院と言っても、貴族の議院ではなく、
各州の代議員が選挙で選ぶ州代表の議員と言えます。

日本に比べると遙かに小さな議会で、
議員が座る席も100に満たないと思いますが、
装飾は、遙かに立派で、
かつてのオランダ国王の肖像が掲げられていたりします。

ここに入るためには、
荷物をロッカーの中に入れなくてはいけませんが、
写真撮影は自由。
そのことを、ガイドの人は、
オランダ語がわからない私のために、
わざわざ英語で説明してくれます。

上院の傍聴席に入り、他のツアーの人たちと並んで座りましたが、
ツアーの人たちも、私に英語で

  「どこから来たの? おおお~、日本か!
   ちょっと、あなたのカメラを貸してご覧。
   写真を撮ってあげるよ。」

江戸時代からオランダに対してだけは、通商を開き、
蘭学を一生懸命勉強していたせいでしょうか。
それともシーボルト先生のおかげでしょうか。
ともかく、みんな私に優しいです。

ガイドの説明を聞きますが、
何を言っているのかわからないので、
オーディオガイドの英語版で…、

  英語版もほとんどわからないですが…  ☆\(ーーメ)
  それでも、オーディオガイドに絵が表示されますし、
  先ほどもらった英語版の要約もありますので、
  それで何を言っているのか、
  朧気ながらも察しをつけます。  ☆\(ーーメ)

そして、やはりガイドの人が、
ここの説明は、№○○を押してね、と事前に教えてくれます。

次に、下院の見学。

下院は、さすがに13世紀頃に立った館では、狭すぎるので、
ビネンホフに隣接した形で、最先端の議事堂として整備されています。

ここは空港並みのセキュリティチェックがあり、
リュックやカメラ、お財布から時計、スマホまで、
トレイの上に載せて、通過しなければなりません。

高校生たちの見学グループも混じる中、
やはり傍聴席から議事堂を眺めて、ガイドの説明を聞きます。

ここも議員の席数は、全部合わせても200を満たない程度ですが、
とても機能的で、日本の国会のような権威主義的な雰囲気がありません。

議長席も、一段高いところから、議員を見下ろす形であるのではなく、
むしろ中央から見て左にズレた場所にあり、
趣旨説明をする首相や、それに対して質問を投げかける議員たちが、
議事堂の中央正面で、丁々発止とやり合うような立ち位置になっています。

テレビの中継カメラも、リモートコントロールで操作でき、
傍聴席の後方には、中継用の操作室が設けられています。

一般市民がビネンホフの中庭を自由に通過出来るように、
この下院の議事堂も、オープンな場所で政治の議論が行われ、
その議論が、国民に対しても常に開かれているように配慮されているのです。

  民主主義が成り立つためには、
  政治の議論が常に開かれていること。

議事堂の設計にも、そのような思想が影響を及ぼしているように思いました。

ツアーが終了したのが、ちょうど1時頃。
まだまだ時間があるので、
ビネンホフの隣にあるマウリッツハイス美術館に、
レンブラントの「デュルブ博士の解剖学講義」、
そして、フェルメールの「デルフトの眺望」「真珠の耳飾りの少女」を
見に行きました。

ですが、今日は、もう疲れたので、
その報告は、また後ほど。

明日は、フェルメールが暮らし、
オランダ独立の基礎を築いたオラニエ公ウィレム1世が暮らした街、
デルフトを訪ねます。

デン・ハーグからトラムに乗って、20分程度のところだそうです。




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