卒業
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/04/10 12:55:00
雨に濡れた傘
雨粒を受けて重い
あの頃は二人でさしていて
重いなんて思わなかった
そう あなたがいたから
季節外れの雨は
暖かさも持ち逃げする
せっかく感じ始めた春なのに
北風の袋をちょっとだけ離して
まだ季節は進んでないことを知る
もう知る由もないのか
あなたの心も私の心も
眠れぬ星に輝く夜に
飛んで行ってしまったのだろうか
それだけが知りたい
もう会えない
もう会わない
そんな感じ音場の羅列をつぶやき
胸から追い出そうとしているのは何
あのたくさんの思い出だろうか
ここから卒業していく私
あなたと歩いた道からの卒業
愛という道筋をつたって来たけど
壁に当たった私たちは何
行く道は同じじゃない
さようなら
もう会うこともないだろう
都会の海に紛れていって
一人歩いていくだろう
永遠のさようならを抱えたままで