R12(後編)
- カテゴリ:自作小説
- 2019/04/12 07:17:43
住吉区民センターでは、フェザー級日本チャンピオンの防衛戦が行われていた。俊彦は、次の試合で、AKBバンタム級アジア・大洋州チャンピオンのソムタムと戦う。
バンタム級は52kgから53.5kgまでの階級で、タイ人のソムタムは2回目の防衛戦。ソムタムからアジア・大洋州チャンピオンの座を奪うと、世界王座へ挑戦する道が開ける。
控室に今日子がやってきたが、目が合うと直ぐに部屋を出て行った。今日子は、相手を倒すイメージに集中している俊彦の邪魔にならないように、いつものように、視線で頑張ってと伝えると観客席に向かった。
俊彦は、入場曲のヨーロッパのFinal Countdownを合図にリングに向かった。ゴングが鳴り、1ラウンドが始まる。ボクシングは3分間のラウンドを12ランド戦う。各ラウンドの間には、1分間のインターバルがある。
1ラウンドは、お互いにガードを固めて様子を見ていた。ガードを固めると有効打は簡単には決まらない。細かなステップで、時計回りに徐々に身体をずらしながら、消極的な姿勢を取られないように手数を出す。身体と心が高揚していくのを感じはじめた時に、1ラウンド終了のゴングがなった。
コーナーに置かれたパイプ椅子に座り、水を飲んでいると、観客席の今日子が席を立つのが見えた。今まで、試合の途中に帰ることはなかった。ゴングが鳴り2ラウンド目がはじまった。
ホールから出る今日子を視線で追った。その瞬間にソムタムの右ストレートが俊彦の頬に吸い込まれた。俊彦の顔面がゆがみ、一瞬で意識がなくなり後頭部からマットに崩れ落ちた。
レフェリーの5つ目のカウントで意識が戻った。身体を操れない。8カウント目で立ち上がった。かさにかかってくるソムタムのパンチを腕でガードをしていたが、今すぐにでも、今日子を追いかけたかった。
俊彦は持久力を活かして12ラウンドを戦い勝ち抜くつもりだった。ソムタムの目をにらみながら、左ストレートを出した。ソムタムに軽くガードされる。負けてもいい、このラウンドで決める。
俊彦は、それまでと違う、全身の動きと連動した重いパンチを繰り出し続けた。体力を消費し、隙も大きく生まれる。簡単には決まらないが、俊彦が持久戦型だと思っていたソムタムは意表を突かれて、ガードが緩くなった。
俊彦の左フックがソムタムのみぞおちを打ち、前かがみなったところに、右ストレートがソムタムの顎に入った。後ろに反り返ったところに踏み込み、左ストレートを顔面に放った。もう一度右ストレートを叩きこもうとしたときに、レフェリーに抱えられ止められた。
テクニカルノックアウトで勝った。検査やインタビューが続き、区民センターを出ることができなかった。後援会の人達に挨拶をしたりして、部屋に帰ったときは深夜になっていた。
部屋は暗く、今日子はいなかった。バックを放り出し、明かりをつけると、テーブルの上に2通の手紙が置かれていた。一通は、試合前に俊彦がテーブルの上に置いた手紙。もう一通の手紙には、俊彦へと書かれていた。
俊彦の手紙は封を開けられていなかった。そこには、今日の試合に勝っても、負けてもボクシングを止める。俺は、世界チャンプになるような才能はないし、ボクシングより今日子の方がずっと大事。今日のことを大切にしたい。先輩から人出が足りなくて困っている。正社員で迎えるから運送屋の会社を手伝ってくれと言われていた。ボクシングを止めて先輩の会社に入ろうと思う。そして、俺と結婚をしてほしい。
(続く)
あとちょっとだと思うけど、会社にいく準備をしなければ...
今日子さんを焼餅焼きキャラにして、オマージュを入れるべきであった。バレエは柔らかい身体が必要だ。毎日のストレッチが欠かせない。さあ、たまちゃんもストレッチをしよう。ポイントは、身体の軸を傾けないこと。背筋を伸ばした状態であれこれするのがいいみたいです。
出勤時間となりましたか(笑)
今日子さ~~~~ん!
もう30分早く起きていたら、完成していたけど、ごめんなさい。しか~し、1話ずつ読みましょう。
さなちゃん
深読みせずに、ただの時間切れです。はい、予想どおり、ハッピーエンドにはなりませんでした。
ゆりかちゃん
ボクシングを見たことがあるんですね。自分は生でボクシングを見たことがありません。俊彦の手紙を読んでいたら、展開が違っていたと思います。
みーぴこさん
恋愛は、タイミングですね。出会うか出会わないかは、運のような気がします。出会いは偶然、別れは必然なのでしょうか。
Cherryさん
甘い。まだ、ゴジラもガンダムも登場していません。バンタム級からガンダム級に階級を変えて、主任の操るメカゴジラと対戦します。
全編、中編、後編と続いたら後編で終わると思ったのに、
続く ですか? あんまりです。
俊彦の手紙は封を開けられていなかった。 で終わりですね。
続きは読まなくても。
今日子さん、主任さんとお幸せに!
え~~~気になるぅ~~~(*´Д`)
なんだかタイミングって・・・運命なんでしょうかね・・・
同級生の友達がボクシング選手だったので、クラス揃って試合を見に行ったことがあるのですが、ボクシングの世界は全くわかりません。
沖人さんは、ボクシングがお好きなのでしょうか^^
あらら。今回も「そこで続くの?!」と詰め寄りたくなる展開ですが…
遅刻しちゃったら大変なので仕方ありませんね。
今日子さんは、どうしてわざわざ試合中に席を立ってしまったのか。
まさか主任さんからの呼び出し?
俊彦さんは、勝敗に関わらずボクシングを辞めるつもりなら、試合よりも今日子さんの話を優先してあげれば良かったのに~と思ってしまうのですが。
男の人は目の前の目標に一直線で、同時並行で考えられないのかもしれませんね~。
もし、俊彦さんからの手紙を今日子さんが読んでいたら、結末はハッピーエンドだったと思いますが。
さてどうなるのでしょう。
今日子さんの行方が気になります。
またまた続きを楽しみにしてますね(*^^*)
沖人さんの小説はハッピーエンドが少ないからなぁ〜
でもハッピーエンドって人それぞれですね・・・
(続く)
あとちょっとだと思うけど、会社にいく準備をしなければ...
今日子ちゃんを追いかけなくっちゃね!
今回のことで学んだわぁ!全部揃ってから読むことにするの!決定!