タケシの武勇伝…(11)
- カテゴリ:自作小説
- 2009/10/08 00:50:09
シンさんの体と扉の形から、完全に病室をイメージしていたタケシはドアを開けて驚いた。部屋の中は、四方の壁はもちろん天井まで見たこともない大型機械に囲まれていたのだ。
瞬間タケシは、宇宙船の中に入った気分になった。
「こ、これって、シンさんの部屋なの?」
6畳間を4つ足したほどある広い部屋を見回しながら、タケシは驚き気味に尋ねた。
「ううん、ここは部屋っていうよりデータルームみたいなとこだよ。北野くんに見てもらいたいモノがあってさ…」
こう言ってリモコンを手にしたシンさんは、おもむろにボタンを押した。
すると、天窓の黒いカーテンがひとりでに閉まり、壁の一角を覆っていたエメラルドグリーンのカーテンが左右に開き始めた。そこには大きなスクリーンが垂れ下がっていた。
突然、部屋の明かりが消え、ウィーンという音とともにスクリーンに映像が映りはじめた。
…2008/07/25/Fri …
スクリーンの真ん中に大きな文字が浮かんで消えると、マウンドに立ったユニフォーム姿の少年が映った。
それは、紛れもなく1年前のタケシであった。
※※つづく※※
謎めいたシンさんの行動も気になります。