背中
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/05/10 14:51:59
「ごめん」と言って
去っていくあなたの
背中が泣いていた
そんな背中は見た事はなかった
いつもいつも頬よせていた
何があったのか
あなたは何も話さなかった
ひとりで抱え込んだ悲しさを
私に見せもしなかった
それに気づいていなかった私
こんな日が来るなんて
思った日があっただろうか
あなたは予感があったに違いない
一ヵ月 一週間 一日
時の経つのを恐れていたに
楽しかった 本当に
あなたがいてもいなくても
いつも側にいてくれる思いが
私の中ではじけていた
だのに
私にも話して欲しかった
たとえあなたと私の糸が
からまわっていようとも
二人ならほどけることができたのに
あなたは途中で切ってしまった
たとえ何があろうとも
二人で乗り越えようと決めたのに
その約束を破ったのはあなた
もしかしたら私かもしれない
あなたを追い詰めてしまったから
都会の人ごみの中で
もう会うこともないだろう
たとえ会ったとしても
二人は今の二人じゃない
時という交差点を歩んできたから
普通って何
日常って何
そんなものを身に着けて
これからも歩いていくのだろう
あなたの泣いた背中を思い出しながら
コメント、ありがとうございます。
春、花びらを散らせて、夏、暑い空気を纏わりつかせて、秋、足音に枯葉を踏んで
冬、雪を飛ばす冷たい風となって。
自然さが美しい。涙と共に季節も流れ。そんな詩を書けたらいいですね。
こころの内面も表しているのかな
日常が表なら
非日常が裏
顔側は向かってくるけど
背中側は去っていくもの
顔が見えない所が
そうさせているのかも知れません