旅立ち
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/05/30 14:05:06
好きだった 好きだった 好きだった
そんなに好きだったの
愛していた 愛していた 愛していた
そんなに愛していたの
心の中がそう叫ぶ
終わりを告げてから
気付くものもたくさんある
あなたの中にあるもの
それに気づかなかった私
あの手が結ばれたのなら
夕べ夢を見た
あなたからの100本の赤いバラ
それにはとげがついていて
抱きしめると痛みが走る
そこで目が覚めた
私はあなたにとって
赤いバラだったかもしれない
私の存在そものもが
邪魔だったのかもしれない
あなたの肩越しに見える自由
縛り付けてきた
あなたを
束縛してきた
私に
その辛さが私には気づかなかった
もういい
あなたは自由を手に入れた
例えば誰が何と言おうとも
私はあなたを解き放した
自由に空を飛べるように
好きだから
愛していたから
あなたを悲しませることだけはできなかった
だから今去り行くあなたの影に
別れの文字を書く
好きになって 愛し合って
残された私の愛のかけら
飛んで行ったあなたの翼には
何も伝えることはできない
さようならさえも
愛し合ったことは忘れない
たくさんの思い出と
たくさんの笑顔をありがとう
そして歩き出していく
あなたの飛び立ちに負けぬように