傘
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/05/31 11:42:04
もうすぐ雨の季節がやって来る
大好きな水玉模様の傘
あなたがくれた最後の贈り物
そう これが最後だった
私たちの仲は
今では珍しい
裏手にあるこじんまりした傘屋
ここで見つけた水玉模様
これがいいわ
そうだね
二人で入るには小さすぎて
あなたの肩が濡れている
そぼ降る雨は止むときを教えず
模様の水玉が傘から落ちていく
ぽとり またぽとり
あなたに見せたかった
水玉模様の長靴
きっと言ってくれるわ
かわいいねって
今では聞こえないけれど
さようならをして半年
つたう涙も消えたけど
まだ忘れられない
だからこの傘を使う
あなたとつないだ手のぬくもり
始めは使えなかった傘も
ようやく使うことができる
空白の時間が流れて
あなたの声を見送って
一人になって
半年前には言えなかったさようなら
今ではどうだろう
小さく呟いてみる
さようならと
もう会えないと
いつか卒業するわ
あなたから
だから見ていてね
成長した私を
傘を捨てる私を
いつもしっとりしたフレーズで、素敵だな~って思っています。
空から降る雨はいつか止むけど、心の涙はどうでしょうか。
いつか忘れる日が来たら、傘のことも忘れてしまうんでしょうね。
そんな私をそっと雨音が慰めてくれる
にじむ景色のなかに映るあなたの幻に
そっとさようならと呟く
6月の雨の中
私は傘を閉じ濡れながら街をさまよった・・・
なんて感じ?
傘を捨てる私って強い意思を感じますね^^