孤剣
- カテゴリ:自作小説
- 2019/06/08 16:43:20
海からの風が吹き荒れる、ここは房総半島の上総の国、時は嘉永年間の夕方
しばらくすると、小川の近くを栗毛の馬に乗った、浪人者が走ってくる、
その男の名は「伊庭大介」いわゆる浪人者だ、顔は彫りが深くまるで異人の血が混ざっているようにも見える
背は高く六尺もある、着ている着物も、少し埃で汚れている、腰には革の袋と大刀と短刀が差されている
「伊庭大介」「さて、これから、稼ぎをしないとな」しばらく、馬を歩ませる、「大介」何かの気配がした
すると、茂みから鹿が逃げ出してくる、「伊庭大介」は腰の九寸五分の鎧通し短刀を投げる、
短刀はそのまま、鹿の急所を貫く、鹿は倒れた
そして、短刀を回収し、短刀で鹿を捌き、ゆう飯にする、そして、短刀を小川の水で洗い研ぎをいれる
短刀は、厚重ねの関の孫六兼元の作だ、よく切れるはずである、そして、腰の大刀を抜き、刃を確かめる、この大刀は、胴田貫という戦場用の二尺六寸もある物だ、
そして、火を起こし少しまどろむ、これから、何が起こるのであろうか、
そして、目覚めた「伊庭大介」は、栗毛を野に放し、河原を歩いていく、
孤剣「酒場」
「大介」「この近くには、酒場などがあるはずだ、そこなら、何かつかめるかな」
しばらくすると、稲毛の街が見えてくる,ここは、浜辺にあり、にぎわっている
そして、小さな、大名などの領地があるので、代官もやたらとはいりこめない、
そして、街の中に足を踏み入れた「大介」は、土地の地廻りの手下に絡まれた
「地廻りの手下」「ここを通るには金目の物を出しな」と、凄みを利かせたつもりである
「大介」「いやな、こった、取れるものなら取ってみろ」とそのまま通ろうとする、
「地廻りの手下」「やろう、斬ってやる」と長脇差を抜く
{大介」「無駄なことだ」と、
腰の胴田貫の柄に手をかけ
鯉口を切り、居合い切りで、「地廻りの手下」を一刀両断にする、
そして、そのまま、酒場に歩いていく
「酒場の中」
そして、近くの酒場を見っけた、「大介」は、焼酎を頼み、刺身で、一杯ゃっている
「酒場の客」「おいおい、聴いたかい、銭安と唐犬が、一触即発だぜ、さっきも、地廻りが切られたそうだ」
「酒場の客」「こわいねえ、桑原桑原、誰が斬ったのかねー」
「大介」「フフ、うわさになっているな、そろそろ御迎えが来るか」
そして、酒場の入口があく
「銭安」の身内「ココにいやがった、あの浪人者だ、仇を取らせてもらう表に出やがれ」
「大介」「ふ、また、死にたがりがきゃがった、腕をあげたほうがいいぜ」
と、飲みかけの焼酎の、とっくりをつかむと、肩にしょい、表に出た、
「大介」「まだ、酒が足りんが、斬る前に洗ってやる」と、腰の胴田貫を抜くと、焼酎をかけた
そして、腰の鞘に収める
「銭安」の身内「何をぬかしてる、くらいな」と、抜いた長脇差を、振りかぶる
「大介」フ、下手糞だな、大根も斬れんな」と言うと腰の胴田貫を居合い切りで抜き、「銭安」の身内の効き手を、切り落とす、
「大介」「このまま、親分のところまでいきな、俺はいつでも、相手をしてやるぜ」と、不敵に笑う
近くに風が吹き、束ねた髪が、少し、流れる
伊庭大介の姿は、顔は異人との混血のように彫りが深い
身長は180センチ
体重は69キロ
着ものは青い絣の着物と馬乗り袴、腕には革手袋をつないだ籠手をはめている
腰には、刃渡り二尺六寸の胴田貫という、刀で、拵えは美濃もの柄の長さは九寸
それと関の孫六兼元の厚重ねの鎧どおし、九寸五分の刃渡り、拵えは美濃もの
それと、弾や火薬ゃ道具や薬を入れた革袋、胸の内側の襦袢には、手裏剣ニ十本と、コルトのトラグーンリボルバーを差す、雷管は腰の印籠にいれている、
「居合い」「大介」「まだ、酒が足りんな、雨も降つてきたし、どこかで雨宿りだ」と歩いていく
そして、近くのあれた寺をみっける
「大介」「ここなら、少し休められる、おあっらえ向きにお堂はでかい」
そして中に入ると、腰の胴田貫を調べる、「大介」「流石は、戦のための刀だ、歯こぼれもない」そして、懐のコルトを抜く、中の火薬が湿っていないか調べる、中の火薬と弾は使えそうだ、スペアの火薬も、いい様だ、そして、懐に戻す、しばらくすると体を起こし、蠟燭に火をともす、それを燭台に立て、腰の鞘に胴田貫を収め、座禅を組む、静かに時が過ぎる、そして、
居合いの構えを整える、、一瞬、柄に手をかけたかと思うと、初発刀で、抜き発つと
刃は規動を描き蠟燭を切り落とす、そして、また、それを繰り返す、
この男の居合いの技は、田宮流の流れをくむ、そしてやおら、腰の鎧どおしを抜くと、そのまま、投げ、そして胴田貫の柄に手をかけたかと思うと、居合いの技で斬る事を、繰り返す、
そして、逆二刀の技を成らしていく、