父の日
- カテゴリ:自作小説
- 2019/06/16 17:42:03
久しぶりに青空が広がり、ベランダに布団を干した。雲が一つもない夏空を眺めていたら、マンションの芝生にハンカチが落ちていた。風が強く、洗濯物が飛ばされたのだろう。
洗濯物を取り入れる時に気づくかもしれないが、ハンカチは強い風に煽られている。汚れたり、敷地の外に飛ばされるかもしれない。サンダルを履き、ハンカチを拾いにいった。マンションを見たが、洗濯物を干しているベランダが多く、どこから落ちて来たのか分からなかった。
部屋に戻り、ハンカチを眺めた。白い綿の生地にイニシャルの刺繍が入っていた。パソコンに向かうと、ワードで、『落とし物、1階の庭の芝生に落ちていました。』と書き、日付と315号室「霧生」と書いた。
名前を書くかどうか迷ったが、誰が拾ったか分からないハンカチだと使いたくないだろうし、落とし主が分からなかったときに管理人から連絡できた方がいいだろうと名前を書いた。エレベーターホールにある掲示板に、プリントとビニール袋に入れたハンカチを貼っておいた。
次の日、ハンカチは掲示板から無くなっていた。
一週間後に郵便受けに大き目の封筒が入っていた。封筒の中には、手紙が2通とリボンがついた小さな箱が入っていた。封がされていない手紙の封筒には、「霧生様」と書かれていた。
手紙には、『先日は、ハンカチを拾っていただきありがとうございました。ハンカチは彼からもらったプレゼントでしたので、手元に戻りとても嬉しかったです。汗をかく時期ですので、よろしければ、ハンカチを使ってください。』と書かれていた。
もう一通の封がされた手紙の封筒には、「霧生隆様」と書かれ、『隆さんでなければ、読まずに捨ててください。』と書かれた付箋が貼り付けられていた。
封筒から手紙を取り出して読んだ。
『霧生と書かれた貼り紙を見たとき、胸が高鳴りました。母が離婚をするまでは霧生という姓だったことは知っていました。ひょっとしたら、私のお父さんかもしれないと思いました。3歳の時にお父さんと離れたので、お父さんの顔や姿は思い出せません。母に、お父さんの写真やビデオはないのと聞いたことがありますが、全部捨てたと言われました。』
引き込まれるように手紙の続きを読んだ。
『霧生と書かれた貼り紙を見て、いてもたってもいられなくなりました。母に、再婚しないのと聞いたときに、もう男はコリゴリと言っていたので、母には相談できないし、掲示板の貼り紙が母の目にとまらないように直ぐにはがしました。祖母の家に行き、私が子供の頃の写真を見せてもらいました。お父さんに抱えられた写真があり、もらって帰りました。今週、マンションの玄関で出入りする人を見ていました。そのせいで、毎日、学校に遅刻をしてしまいました。』
それでかと思った。ブレザーの制服を着た女子高生が、毎朝、玄関に立っていて、何をしているのだろうと思っていた。
『お父さんの面影のある人を見つけました。管理人さんに今の人は何号室の人ですかと聞くと、315号室の霧生さんと教えてくれました。お父さんに違いないと思いました。私は高校3年生になりました。心配しないでください。すくすく真っすぐに育っています。母は、医者になるんじゃなかったクソ忙しいと愚痴ばかり言っています。』
手紙を読んでいて、ドキドキしてきた。娘からの手紙を読むとこんな気分になるのだろうか。
『いたずらな風とハンカチのおかげで、お父さんに会うことができました。ハンカチには、お父さんのイニシャルのT.Kを入れてもらいました。父の日のプレゼントなので、使ってくださいね。母には、内緒にしておきますので、お手紙を待っています。偽名で手紙を書いてくれれば、大丈夫ですよ。かしこ』
小さな箱を開けて、ハンカチを取り出した。藍染めの麻のハンカチに小さく、イニシャルが入っていた。美人だし、贈り物のセンスもいい。
ハンカチを眺めながら、腕組みをした。
さて、どうしたものか。俺の名前は、隆でなくて保だ。
短い間だったかもしれませんが、日記を読んだり、コメントをいただいて、ありがとうございました。お母さんの容態がよくなることを願ってます。看病、付き添い、頑張って下さい。ともさんも、体調に気をつけて下さい。
急ですが退会することにしました。
母親の容態がおもわしくなく、少しでも長くリアルに力を入れるべきと判断しました。
今まで、本当にありがとうございました。
とても、たのしかったです。
どうか、体調に気を付けてお過ごしください。
女子高生から見たら、おっさんは、みんな一緒なのかもしれません。きっと、ひとくくりでしょう。おしゃれをしようという気持ちが、おっさんには起こりません。ダブダブの服をだらしなく着てしまいます。しかも、同じ服ばかり着てしまうし。。。
まずは、甲相同盟を破綻させないのが肝心。その若いお嫁さんは、北条家の姫だし、御館の乱で、上杉景虎(北条氏政弟)に味方しよう。そうなると、北条勢力が強くなりすぎて、結果的に滅亡させられる相手が、織田から北条に変わるだけか。
そこは、今川氏真のように、お嫁さんの実家に頭を下げて、北条滅亡後は、旧家臣だった真田家の世話になり、しぶとく生き残る作戦はどうか。大名の地位は失うが、若いお嫁さんと悠々自適なラブラブ余生が待っている。
さて、どうしましょう、顔も面影があるとは。。。
続きが読みたいですね、どこかでつながるファンタジー小説になりそう( *´艸`)
18歳歳下。武田勝頼になりたい。武田勝頼となり、上杉、北条と和睦し甲相越の三国同盟を復活させます。大規模な侵攻はせず、国内統治に努めつつ、織田、徳川を自由にはさせられないので、高天神城から徳川にちょっかいを出します。本願寺、毛利と挟撃体制を築き、豊穣の地、駿河、三河を頂き、ついでに尾張もいただきましょう。さすれば、隠居し、お嫁さんと温泉巡りをして、小田原に外郎を食べに行ったり、春日山に笹団子を買いに行ったり、楽しく余生を過ごします。
環謝さん
女子高生とおっさんの恋愛を書くとお叱りを受けそうな気がする。ニコタ事務局が黙っていない。ニコタでは、健全な世界を目指さなければいけませんね。
宛名が違うから 読まずに捨てなければいけないはずの手紙を読んでしまったから
当然お返事は書けないけれど
どうするのか やっぱり続編はないのかな?
ニコタ1周年だったんですね!おめでとうございます♪
沖人さんの作品をいつも楽しみにしてるので、これからも末永く続けて頂けると嬉しいです。
次は目指せ10周年v
昨日はストロベリームーンを教えて頂き、寝る前に見ることが出来ました。感謝^^
↓年の差恋愛は、芸能人とか見ると全然有りな感じですね。
武田勝頼も、31歳の時に13歳の後妻を貰ってましたし。
保さんも頑張って!
あ、時代が違いすぎ?^^;
次作も、とても楽しみにしてます(*^^*)
拾っただけなのに、ハンカチを貰ったら、丸儲けですね。女子高生が太っ腹すぎますね。綿のハンカチが戻ってきて、麻のハンカチだと収支が合わないような気がしてきました。綿のハンカチはブランド品で麻のハンカチは100均ということにしましょう。
Cherryさん
おっさん、おっさん、え~歳したおっさんです。ただのおっさんではありません。アニメオタクの引きこもりのおっさんです。沖人さんだと、管理人さんに落ちていましたと預けちゃうかな。きっと、ドラマは生まれない展開になるでしょう。続きは如何。
あっ、沖人さんの話じゃなかった?!
この話に続きはあるのかな?
良いんじゃないですか、ハンカチもらって黙ってれば・・・?
このオチにご不満なのかな。娘からのプレゼントは嬉しいに決まってます。お父さんに、手づくり手芸品をプレゼントしましょう。
環謝さん
お父さんに間違われたのだから、親子位の年の差でしょう。女子高生がもっとも嫌悪しているのは、おっさんだと思うので、二人はうまくいかないのかな。
あずささん
ほっとするような話を書きたいなと思っています。しかし、いつも切ない話になってしまいます。吉本新喜劇を見て、みんなを温かくできるようにします。
たまちゃん
父の日のプレゼントに締め切りはないのです。明日にでも買ってきましょう。スヌーピーのぬいぐるみがいいと思います。きっと、戻ってきます。
aiさん
保は、ハンカチを拾っただけで、何もしてませんね。これからどうするんだろう。女子高生を悲しませることはできないし。えっ、続編ですか...
みーぴこさん
保は手紙を読みましたが、気になって、読んじゃいますよね。保は悪くない、悪くない。読んじゃう、読んじゃう。
オレンジ先生
オレンジ先生は、若い先生を指導していて、しっかり者のイメージでしたが、うっかりさんでしたね。途中で気づいたのはさすがです。
clefさん
パパっこだったのですね。珍しんじゃないのかな。なんとなく、パパのものと一緒に洗濯するのは嫌だとか、パパの後にお風呂入るの嫌だとか、パパは悲しい存在だと思ってました。
蓮さん
保は、何も悪くないのではないのでしょうか。ハンカチを拾っただけじゃないでしょうか。勝手に誤解したのは女子高生。保君の行動はいかに。
ゆりかちゃん
お父さんに父の日のプレゼントされたんですね。きっと、誕生日には千倍になって返ってくるでしょう。お父さんがビーフシチューを作ってくれると思います。父子ほど離れた歳の差の恋愛はあるのでしょうか。
え!?
何て素敵な話だろうと思ったら、まさかのオチ…?!^^;
あ、でもこれはこれで、恋の予感が?
お父さんの面影があるということなので、年齢差がネックですが、人違いから始まる出会いも良いですねv
保さんは、お返事をどのように書くのでしょう。
前編等の記載がないので、続編はないのかもしれませんが、続きが気になる展開です^^
私は昨日の父の日は、バナナケーキを焼きました。
ショートケーキもシフォンケーキも作れる沖人さんの腕前には敵いませんが、なかなかの出来栄えです♪
オチに驚かされましたが、とても面白い物語で楽しかったです(*^^*)
どうするんですか?誤解はちゃんととかないとね。
続きが気になります!
折角今時には珍しい大和撫子のJKなんだぁ~、とちょっとドキドキしながら読んでたのにw
私は根っからのパパっこだったのでこの女の子の気持ち、わかる気がします^^
てか、保っち、隆さんじゃない時点で手紙開けちゃダメじゃん(ぷんぷん)
マイナス50てぇ~~~ん。
沖人さんも、姪っ子さん可愛がってるみたいなので、娘が居たらどんなお父さんに
なってるのかなぁ~ってちょっと想像、いや妄想してしまいました(笑)
最初の1行で沖人さんの事だと思いこみ
7行目で苗字を書いちゃっていいの?
それにしても素敵な苗字だな・・・で
最後まで読んでいって名前までーーー?
んー何かおかしい・・・・。
小説だったなんてーーーーでした・・・^^
あらぁ~保さんw
誤解は解かなきゃね!
でも、違った付き合い方が出来るかも!?
楽しみにしています(^o^)丿
そうだ、今日は父の日だった。
我が家はそれぞれフツーの日曜日を過ごしてましたw
そういうことひっくるめて包容してくれる先生や回りの大人が
出てくるお話し好きです
保さんの年齢が分からないけれど、年が親子以上に離れてないなら、
人違いからステキな出会いがあったりして!
続きはないのかな?きになる!
私は今年、父に何も用意してませんっっ
沖人さんには素敵な贈り物が届くといいですねw