嵐の夜
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/06/17 11:26:57
雨音で目が覚めた
外は土砂降りの雨
こんな夜にはソファに座って
熱いコーヒーが似合う
あの時は隣にあなたがいた
風が雨をガラスにたたきつける
そっと外をのぞき込めば
暗闇が回るばかり
あなたもどこかで見ているのか
嵐の夜が好きだった
時刻を告げる音さえ聞こえず
それでも時間は流れていく
コーヒーが冷めていく
いつまで続く嵐だろう
あなたの心は揺れていないか
さすがにこんな夜に
あなたは迎えに来ないだろう
黙ったままの夜のドライブ
滑るように走る暗闇の道
どこへ行くのかもわからない
今頃あなたと隣には
誰が座っているのだろう
いつも私が座っていた指定席
もう座ることのないシート
悲しみは尽きず
冷めたコーヒーを入れ替えて
ソファに体をしずめる
あなたは夜が好きだった
呼び出されるのはいつも夜だった
何も隠せやしないのに
あなたと別れた後も
夜は際限もなくあらわれる
眠れぬ夜を過ごしてきた
もう呼び出しなどかからないのに
それを待っていたのだ
もう慣れたはずだった
あなたと別れて半年
でも夜が来ると思い出す
何も言わなかったあの夜を
もう戻らないあの夜を
いつもありがとうございます。
セカンドさんの詩は、短いけれど芯がありますね。
見習いたいです。
いったい何処で雨宿りをすればいいのだろうか
冷めてしまったコーヒーに独り言
それを尋ねても返事が来るわけは無い
さようならの言葉すら
この雨の中に消されてしまっている
今日もまたソファに独り座る
夜が明けるまで