追憶
- カテゴリ:自作小説
- 2019/06/26 10:44:56
ガラス瓶の中の白い貝殻
これはあなたと遊んだ海の日
海岸線で拾った思い出のかけら
今は何を物語るのだろうか
輝きはもう失ったけれど
「波の音がするんだよ」
大きな買いを耳に当てて
ほほ笑みながらあなたは言った
私もそれをそっと耳に寄せ
ガラス瓶の中の貝殻に
二人祈っていたのに
これからもこの先ずっと二人でいられますように
心を込めて祈っていたのに
今 一人でここにいるのはなぜ
いくらむなしい祈りをささげても
それは宙に舞う名残のさざめき
私の心の中を知らず
はらはらと落ちていくだけ
ただ それだけんことが今はつらい
あなたが去ったこの場所に
私はなぜいまでも立っているんだろう
流した涙ももう乾いて
もう追っていくことにも疲れ果てて
潮の満ち引きがないことも分かっていて
いつか季節が変わって 風も変わって
海へと向かった人ももまばらで
今はまだ捨てられない思いを抱えながら
どうしたらいいのかと迷う
なすすべもない心の隙間
さようならをしなくちゃいけない
さようならをしなくちゃいけない
でもまだ祈り続けている
波の音を大きな貝殻に聞きながら
あなたの微笑みを聞きながら
聞きなれた短い言葉に心打たれる
そんな詩を書くセカンドさん、素敵だと思います。
もっと言葉遊び、言葉探しをしないとと思います。
想い出がこだまする
低く雲が垂れこんでいる海
今日の風はやけに冷たい
砂浜に独りたたずみ
あなたの名前をつぶやくと
沈む夕日の中
打ち寄せる波が
寂しく
哭いた