忘れられた愛
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/07/23 10:13:32
隠れてしまおうか
あなたの視線から
でも あなたは探さない
私のことなど片隅にもない
あなたと出かけた時にはいつも
帰り際に海岸へ来たものだった
沈んでいく太陽が好きだった
今はどうしているというのか
私はたまに来るけど
愛は永遠ではない
壊れていくこともある
それをあなたは教えてくれた
知っていたくはなかったけれど
その言葉をかみしめていた
あなたとの過ごした日
悲しみと喜びと
風に吹かれて
風を追いかけて
動かないと思っていたのに
そう 誰が悪いわけじゃない
ちょっとした言葉の入れ違いが
二人にひびを入れた
それが大きくなっていって
今の私たちがいる
さようならを告げた日
思いきり抱き締めたわ
あまりに悲しすぎる
あなたも同じはず
でももう繋がってはいない
愛って何
身を割くほどに悲しいものなの
やがて消えていくものなの
だったら愛なんていらない
あの人を返して
暗くなってきた海岸を
今一人 後にする
重すぎた愛をこの身に納め
明日へと続いていく
もう何もなくなった心と共に
引いていく波に
足元を濡らす
あの日と同じ泡が
水面に浮かぶ
なんでもない光景が
特別のものになる
またお会いしたいですね^^
海鳴りが聞こえる
それは心の割れ目に入り込み
愛を押し流し砕け散った
日が沈んでいく
影だけが長く砂浜に突き刺さる
わたしは立ちすくみ
その情景を見続けた
風が優しく吹いた
慰めの言葉のように