最東端の食堂でサンマ丼を食べながら思ふ。
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2019/07/27 21:47:24
今日は、まず納沙布岬を訪れました。
しかし、ああ~、
この時期、釧路・根室地方の太平洋側は、
霧が発生するため、北方領土は見えません。
3キロ先にある貝殻島の灯台すら見えないのです。
ここは以前も訪れた場所なのですが、
「返せ! 北方領土」の大合唱で、
私としては、その発想では、
北方領土は戻らないのではないかと思っています。
バカな国会議員の
「戦争するしかないんじゃないですか」
などという発言に従ったなら、
もう絶対に戻ってこないでしょう。
主権国家の発想を前提にして考える限り、
北方領土だけでなく、
あらゆる領土問題は解決しないのではないかと思います。
それよりも、EUみたいに、
EU域内の人ならば、
どこの国にでも移住できるようにしてしまった方が、
遙かに実効的な問題解決になるように思っています。
例えば、北海道に住民票を持つ人は、
北方領土や樺太に定住ビザを申請できるようにする。
同じように、北方領土や樺太のロシア人に対しては、
北海道で定住ビザを申請できるようにしてしまう。
そうすれば、領土は戻らなくても、
かつて、北方領土に住んでいた人は、
北方領土に住むことができます。
「奪われたのだから、請求権がある」と考えると、
おそらく戻ってこないでしょう。
それよりも実際に北方領土に住めるようにして、
新たに北方領土で暮らし始める人、
事業を開始しようとする人のために、
日本政府とロシア政府双方が、
資金援助を行った方が、
遙かに双方の経済発展につながりますし、
それは、北海道でも同じじゃないでしょうか。
奪う・奪われるという、
主権国家の発想を脱することができない内は、
正直言って、北方領土が戻る…
…というよりも、
北方領土に日本人も自由に住めるようになる、
同様に、ロシア人も北海道に自由に住めるようになる、
そして、その地で、新たな生活を築いていけるなるとは思いません。
ま、そんなことは、
日本の安倍首相も、
ロシアのプーチン大統領も、
まったく考えていないように思うので、
彼らに代わって、安寿がそのように考えますが…。
主権国家の発想を抜け出た時、
はじめて北方領土の霧は、本当に晴れるのだと思います。
…ということを、
北海道最東端の鈴木食堂にて、
サンマ丼と花咲ガニの鉄砲汁セットを食べながら考えて…
…嘘です。
花咲ガニの身をほじくるのに夢中で、
そんなことは、これっぽちも思っていませんでした。
花咲ガニは、毛ガニやズワイガニ、タラバガニに比べると、
身が少なく、しかも、身離れが悪いです。
するりと身が抜けてきません。
…なもので、貧乏性の安寿は、
手をカニ汁だらけにして、
カニスプーンと料理鋏を使って、
身をほじくり出していくのでした。
ここまで、キレイに食べ尽くしていく客に
お店は感動してくれるでしょうか? ☆\(ーーメ)
その後、根室市が運営する北方領土資料館を訪れたら、
そこで最東端到達の証明書をいただきました。
その際、アンケート調査に答えましたが、
「どちらからいらっしゃいましたか、交通手段は?」
と聞かれたので、
「JR花咲線(根室本線の釧路から根室までの通称)で
根室に着いた後、バスで」
そう答えたら、感謝されちゃいました。
そう、北海道旅行の多くは、
車やバイク、レンタカーで移動する人たちなので、
私のように、わざわざ公共交通機関を使って、
移動する人は少数派なのです。
「だって、根室本線は、東鹿越と新得間の次に、
花咲線の廃止が噂されているじゃないですか。
ですから、これは花咲線に是非とも乗らねばと思って…」
こう答えたら、感激されるのは、自然の流れでしょう。
実際、花咲線は、風光明媚で実にいい路線です。
海あり、草原あり、湿原あり。
花咲線のように湿原の近くを走る列車を、
私は他に知りません。
まるで、尾瀬の中を列車が走っているような場所もあります。
野生の草原には、お花畑が広がり、
牧場の所々に点在する牛や馬。
こんないい路線は廃止してしまうより、
観光列車をもっと企画するべきでしょう。
観光列車専用線にしてもいいかもしれません。
朝に釧路を出発して、
根室についた後、専用バスで納沙布岬や周辺の湿原を訪れ、
帰りの列車では、
厚岸あたりで長時間停車して、
焼き牡蠣を食べて、
夕方に釧路に戻る。
花咲線は、
北方領土眺望専用列車、
美食グルメ専用列車、
湿原と野鳥観察専用列車等々、
いくらでも本数を考えることができるように思います。
JRのイベント列車は、
観光客を運ぶだけのイベント列車であることが多いのですが、
豪華寝台列車の四季島みたいに、
列車に乗るだけでなく、
他の事業者たちとも連携して、
その土地でしか味わえないテーマを体験できるような
イベント列車にすればいいのにと思います。
それぐらい内容が充実していれば、
一人1万円ぐらいしても、乗客はいるのではないでしょうか。
根室の宿に一泊する形にして、
根室の味覚もセットにすれば、
1泊2日で2万円ぐらいの設定でも、
採算がとれそうな気がするのですが…。
獲らぬ狸の皮算用でしょうか。
でも、花咲線は残して欲しいなあ。
この路線は長野県の大糸線や小海線、
群馬県の上越線を上回る、
風光明媚、自然豊かな半島を走る鉄道なのですから。
明日は、釧路を出発して、網走経由で旭川に向かいます。
釧網本線で釧路湿原を抜け、
オホーツク海の浜辺を走ります。