Nicotto Town


うみきょんの どこにもあってここにいない


きらきら、行田の古代蓮その2

仮想タウンでキラキラを集めました。

2019/07/30
キラキラ
集めた場所 個数
おしゃべり広場 5
自然広場 4


きらきら、おしゃべり、自然。

行田の古代蓮と水子貝塚公園にいったときのことをもう少し
手を入れた文章を作ったので、何回かにわけて、それをここに
載せます。


 ようやく梅雨が開けた。陽射しが恋しかったが、肌に絡みつくような暑さも一緒についてきた。そうなのだ、恋しい陽射しには、きつい照りつける夏という要素が一緒についてくることを忘れていた。ばかだなあと思う。両方そろってこその夏なのだ。
 まだ梅雨明け前の日曜日、埼玉県行田市の古代蓮の里に、蓮を見に出かけてきた。
 蓮の開花期の六月十五日から八月四日までの間、売店や古代蓮会館などの施設が、早朝開花する蓮に合わせて、営業を午前七時からにして、駐車場も有料になる。なんというか、その間中、長い蓮祭りのような感じになるのだった。
 古代蓮は、一四〇〇~三〇〇〇年ぐらい前の種が、昭和四八年に偶然発芽したものが元になっている。古代蓮は行田蓮と呼ばれ、行田市の天然記念物に指定されている。この蓮は、なんと長生きなのだろう。長い時を経て、眠りから覚めた蓮たちに圧倒される。
 蓮の花の開花期間は、あまり長くない。四日間ぐらいの命だとか。そして午前中には花を閉じてしまう。その花の開花時間、開花期間の短さと、古代蓮というありかたのギャップも興味深い。
 ここ数年、毎年のように出かけている。水が好きだから、水の中から咲く花が好きなのだろうか。いつも蓮や睡蓮などに惹かれる自分に自問する。さらに時というものを考えさせられ……。いや、蓮はともかく大輪の花を静かに咲かせそこにある。午前中だけ、朝の早い時間だけ。そのはかなさと生命力に……、理由を推測することはむずかしい。そのどれも一因ではあるだろう。ただただ、蓮に惹かれる。だが、たとえば上野の不忍池の蓮とかも好きといえば好きだが、この行田の古代蓮に特別な思い入れがあるのは、やはり長い眠りから覚めた子たちだからだろうか。
 開花期間は六月中旬からだけれど、七月の中旬ぐらいが特に見頃だったらしい。わたしが出かけた七月の下旬は、少し盛りをすぎた感じ。とはいえ、まだ咲いている蓮も多く、つぼみもあり、花びらが散って緑の花托になったものと、三種の様態が見ることができて、そのこともかえって良かった。なにか、ここにもやはり時や一生のようなものを投影させてしまうのだった。
 この日も雨がぱらついたのだが、その雨が、蓮の葉にたまって、いや、朝露といっしょになって、露の珠たちを、あちこちでつくっていて、それが輝いてみえたのもうれしい驚きだった。
 先にも書いたが、蓮は午前中にはもう、花をすぼめてしまう。見頃である時間は午前七時から午前九時と早い。だから例年遅くとも九時前には着くようにしていたのだが、この時はすこし遅くなってしまい、午前九時四〇分ぐらいになってしまった。一番美しい開花状態を少し過ぎた……。けれども、雨のおかげだったのだろうか、いつもより開花状態をながく保ってくれていたような気がする。そして朝露。これも朝早くでないと、本来ならほとんど残っていないのだが、雨と混じって、十時を過ぎでも、あちこちに溜まっていてくれたことがありがたかった。つぶつぶ、ころころ、きらめいて。長い梅雨も、いいこともあるのだなと、蓮たちを見ながら思う。
 だが雨もよいの天気のせいか、蓮のまわりに飛び交う虫たちをほどんど見なかった。代わりに蛙を発見。それとオタマジャクシも水の中に。蛙を見るのは久しぶり。
 苑内の蓮たちを一通りみた後、十一時前だったか、すこし早い昼食を。ここの売店のうどんはコシがあっておいしい。せっかくだからと蓮根入りのものを頂く。行田市のご当地グルメというのだろうか、ゼリーフライとフライも食した。そして物産などを少しみて、行田を後にする。いつもなら、近くにあるさきたま古墳群に立ち寄るのだが、この日は別に行きたいところがあったので。

(続く)

いつも読んでくださって、ありがとうございます。




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