遠距離
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/08/02 11:02:27
突然壊れていったあなたと私
何が一体起こったのだろう
私の手をしっかりと取って
思い切り走って
どこに行きついたのだろう
そこは見知らぬ街
あなたの故郷かしら
これを見させたかったの
なぜ なぜなの
聞きたかったけど聞けなかった
噂では聞いていた
あなたが会社を辞めて
故郷に帰ることを
だから見せたかったの
さよならを言う前に
悲しかった
心から泣いた
行ってしまうなんて
私の前から消えるなんて
もう見えなくなるなんて
いろいろ便利なものはあるけど
人の心までは映せない
それだけは機械になれない
愛情まではつかめない
だからもう少し笑顔を見せて
会えないなんて嘘
会わないなんて嘘
遠くなんかじゃない
でも それがもしだめなら
私は時の扉を閉めるわ
時の扉が動かないなんて、悲しいですね。そこにすべてをかけていたのに。
ぬくもりのない機械の世界。そんなものは欲しくない。
切りつけても傷つかないフィルターが悲しい。
フィルターのかかった世界
それ以上離れたら
もう認識の出来ない世界
心の中も同じ様に
距離に比例してくすんで行く
気が付くと時の扉が
錆びついて動かない
もがいても
もがいても
時の扉
は動いてくれない