花火
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/08/16 09:20:17
明日で夏の休暇が終わる
海外へ行った友達
キャンプに行った友達
いろいろ思い出を作ったろう
私はどうだろう
振り返っても何もない
外の暑さから逃れるように
一人 部屋の中
想うのはあなたのことばかり
今頃何をしているの
あなたと一緒にいたかった
これ自分で縫ったのよ
すごいね うまくできてるよ
そんな言葉を交わした一昨年
その浴衣も奥にしまって
陽の目を見せてあげられなかった
何につまずいたんだろう
履きなれない下駄で
赤いはなおが目立っていて
かわいいねって言ったのに
愛を示すのが最後の言葉だった
愛して 愛して 愛されて
一生懸命愛を追いかけた
放してしまうと飛んで行ってしまいそうで
壊れそうなものだったから
そっとこの手で包みたかっ
愛されていたのだと思っていた
でも
夏の夜空の花火のように
一瞬を飾って消えていく
見送るしかなかった
悲しい そう 今でも
最後の春の桜の花を
この身に受けたことを忘れない
たとえ今日の花が消えるものだとしても
あなたの心だけは忘れない
遠くに響く花火の音
でもその影さえ見られない
追いかけたかったけど
確かめたかったけど
空に流れる光の川
そこに乗れたらかなう夢がある
あ~、下手だww
花火が消えていく
光の粒の痕跡をたどっても
それは夢の中の夢
心に映り込んだ花びらのように
かすかな明るさはだけが残っている
目を閉じると
それは少しだけ輝いた気がした