ラストサマー~2~
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/08/20 09:31:44
立秋の足音を聞いて
でもまだ日差しは強く
季節変わりする時はまだ遠く
日陰を追って歩いて行けば
弾んだ声がまだ聞こえる
ネックレス リング ピアス
写真 カード 手紙
セーター スカーフ ハンカチ
捨てるために集めたのに
一つ一つ思い出がフラッシュバックする
さようなら
もう会えない
元気でいてね
私も元気でいるわ
心に傷をつけないでね
そんなほかに何が言えただろう
泣かないと決めたのに
涙がほろほろと頬をつたう
次の季節なんかどうでもいい
ただあなただけが恋しい
夏の海は悲しい
いまだにあなたを想うから
夏の海は切ない
想いきれない風が吹くから
あなたの名前を呼ぶから
お願いがあるの 神様
私の心の時計を
あの人に出会う前までに戻して
でも駄目ね
きっとまた恋をする
もう思い出なんていらない
こんなに切ない想いをするなら
涙が落ちて 砂の城を崩す
ひと粒 またひと粒
崩した愛ももう戻らない
たとえ二人がもう一度誓ったとしても
声はかき消されて
まばゆい光とともに去っていく
太陽が沈み暗闇が広がる頃
もう一度振り返りあなたの影を探す
あなたの名前を叫ぶ
カモメに私の想いを託しても
届ける先はもう存在しない
夏の終わりを告げる少し冷たい風が
涙をためた瞼に優しく触れる
秋はもうすぐそこに居る
新しい想い出を作るために・・・