交差点
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/08/27 09:59:28
大きな街の交差点
人が足早に歩いて行く
その中にあなたを探してみても
雑踏に紛れて見えはしない
精いっぱいに目をこらしても
待ち合わせはいつもここだった
あなたが走ってくることもあった
私が遅刻することもあった
お互いに笑いあった
それなのに
心が離れて行ったんだろうか
あんなに愛していたのに
私一人だけだったんだろうか
そうだとは思いたくなかった
私の手がもう届かない
一人小さな部屋の中で
聞こえてくるというのは
あなたのさよならという声
もうおしまいだよという声
いったいどうすればいいの
さよならは優しさの印
どんなに愛していても
止めることはできない
いつかは手を離れて
それぞれの道に分かれていく
さよならは思い出の印
どんなに愛していても
今は過去しか見えない
それがどんなに美しくても
過去は過去でしかない
すてきな詩ですね。心にしみわたります。
人の流れに逆らっていく見えない愛。
どこかで引きあっているのかもしれません。
無言ですれ違っていく
過去に涙した人も
今は幸せの絶頂期の人も
互いを見る事もなく
触れる事もなく
青から赤へと変わる時の
信号機の点滅
それだけが
唯一のコミュニケーションなのかも知れない