秋祭り (復興)
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/10/09 23:45:56
すすきの穂と一緒に
ゆっくりとあの海が後ろへと流れていく
雲は海にのしかかり
ウミネコが空をはう様に飛んでいた
風は潮の香りに満ち
遠く下北半島が紫色にかすんでいる
駅に降りると風が冷たく頬に当たる
ふいに遠くから祭りばやしが聞こえてきた
秋の恵みは
彼らにどのくらい分け与えられるのだろうか
そんな中幼子が母親に手を引かれ
わたしの前を通り過ぎて行った
「わたしが獲ったのよ」とも言いたげに
目が合った私に微笑みながら
金魚すくいで取った物だろう
赤い金魚が入ったビニール袋が揺れている
あの少女もあの金魚も
この街に与えられた恵みなのかも知れない
ふいにどんよりとした曇り空の切れ目から
光が漏れた
駅の周りが明るく照らし出された
少女と母親の歩く影が黒く舗道に映った
二人の影
その黒さに生きる力強さを感じた
復興のさなか
祭りばやしが流れてくる
海風は冷たく
だがさらに気持ちが良かった
ちょっと感じが重たいですかね
出だしに合わせたらこうなってしまいました^^
昔、学生時代に友達と東北旅行をしました
その時の思い出に
今の震災後の姿をミックスしてみました
金魚すくいをした子供は
その時は生まれていなかった
復興と力強い東北の人たちの
姿をダブらせてみたのですが・・・
ちいさな幸せって
見つけると楽しいです
情景がうかんできます^-^
感じること
生きてる幸せ。。。