季節替わり
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/10/11 11:12:04
気が付けばもう
汗をぬぐうこともなく
足元にも枯葉が踊り
過ぎた季節を思い出す
いつの間にか横にも誰もいず
まるで今気づいたように
本当はとっくに分かっていたのに
知らないふりをしていた
黄色い模様まであとわずか
秋のコートを着て歩いた
いつものイチョウ並木
今年もにぎわうに違いない
幸せに手を伸ばせば
必ず悲しみがついてくる
なぜだろう
幸せなはずなのに
手から落ちていく悲しみも
幸せと一緒に落ちていくのか
そうしたらいつまでも幸せになれない
こんな悲しみはない
涙をぬぐって
お化粧も崩れて
そんなことを気にするうちはいい
本当ならもっと涙する
悲しみも痛さも
いつか去っていくのだろう
追いかけることはない
そっと見送ろう
秋、ロマンチックですね。
並木の枯葉を思い切り蹴飛ばした
誰もいなくなった公園で
だからってあなたは帰ってこない
こんな自分がばからしい
たたずむ私にまた一つ
枯葉色した涙がぽつり
この辺では神宮外苑でしょうかね・・・
道いっぱいに敷き詰められた
イチョウの絨毯
涙も手から零れ落ちた幸せも
黄色に染まる
たたずむとまた一つ
悲しみが舞い降りてくる
それは私の肩にそっと触れ
振り向く前に足元へと寂しく落ちていった