空
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/10/15 11:49:16
昨日歩道で拾った赤い落ち葉
くすんだ赤池炉のまるい枯葉
かわいくて小瓶につめた
でもかびてきてしまって
湿気が多くて駄目だったのだろう
自然のものは自然に置くに限る
下手にとってきたなら悲しい想いをする
私がそうだった
小瓶の枯葉も
そして あなたも
拘束したわけじゃないのに
気が付かなかった
自由にしていたはずだったのに
わからなかった
だからあなたは去っていった
泣かない
もう泣かない
そう決めたのに
涙があふれてくる
だってこんなに愛していた
あなたの背中を思い切り抱いて
走りすぎた私だけど
振り向くのが怖かった
もう私のあなたなじゃない
もうあなたの私じゃない
いつかどこかであなたを見ても
何も言わずに通り去ろう
それが一つ大人になった証拠
だからあなたも振り向かないで
もう私たちはおしまいだから
秋に空を見上げてみる
遠い遠い雲を見る
済んだ風を思い切り受けよう
壊れたものを拾うより
かき集めてどこかに捨てよう
その思いを瓶に詰めて大洋に流すよりは
風に大空へと拡散させてもらうほうが良いかもしれませんね
残らず消えてしまうほうが
また新たな思いが自然と生まれて来るかも知れません