ブルーの
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/11/01 15:33:16
明るい朝日が部屋にさす
今日は何の日か知っているかい?
意地悪天使がささやく
知っている ずっと前から
あんなに泣いたんだから
今日のために誂えたワンピース
晴れた空と一緒の明るいブルー
胸元には真珠のネックレス
おしゃれをしたわ
あなたの目に留まっても恥ずかしくないように
とられたわけじゃないのに
なんでこんなに悔しいんだろう
あなたの目に留まっただけなのに
どうしてこんなに悲しいんだろう
どうしてこんなに切ないんだろう
あなたは大切な友達だった
それは今も同じ
でも友達で終わってしまった
愛という名の螺旋階段を
昇りつめることができなかった
愛は勝ち負けではなく
熱くもなく冷たくもなく
暗くもなく明るくもない
自然を包んで流れる空気が
あなた達二人を包んだだけ
もっと愛したかった
もっと触れ合いたかった
今日からはすべてが過去の出来事
過去を抱きしめて
私は過ごしていけるだろうか
愛を探そう あなたとの
出会いを見つけよう あなたとの
それが過去にしがみつくことなら
少しだけ佇んでいよう
ブルーのドレスをまといながら
イエローの色とブルーの色
まとったものは幸せな花嫁になる
そんな話をどこかで聞いた
ウイディンブルーが流行ったこともあった
今はどうなのか
湖に映える真っ青な空
もう一緒に眺める人もない
ここから去っていこう
あなたもいない
行先は知らない
ドレスだけが知っている
誰も訪れることはない
それは心の中の湖
湖水は冷たく澄んでいる
木漏れ日はかすかに暖かく
それだけが安らぎとなっている
私は明日ここから旅立つ
ブルーのドレスをまとい
新たな恋を求め
目の前の秋の自然の中へ