私色
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/11/12 10:15:23
枯葉の季節が終わりかけた頃
あなたと別れた
ほとばしるような想いを込めて
封印をした
振りむかないように
愛していた
心からずっと
何を捨ててもいい
あなたさえいれば
何もいらなかったのに
想い出の海に来た
今は眩しい白さはなく
風に吹かれて砂が動くだけ
封印をしたはずなのに
想い出が出てくる
一人になりたいんだ
あなたは言った
私が重荷だったのね
気が付かなくて
あなたを苦しめたのね
太陽が沈む頃
あの時の二人が見える
愛していたのに
思い込みだった
こんな悲しいことってない
暗闇が迫ってくる
もう誰もいない
私の横側が悲しがっている
なぜ誰もいないのかと
私にもわからない
私にとってあなたはなんだろう
深く深く心染めて
私色に染めてくれただろう
私色って何だろう
それも言わずにあなたは行った
車を走らせて海岸沿いに行く
そこには何もなく空白があるだけ
海岸の果てには何があるのだろう
知りたくて来たけど何もない
あなたと過ごしたひと時の恋
幻だったのか今はわからない
何色なんでしょうね。
てつやさんは何色かな?
秋冬には人影すら見えない時も
北風に巻き上げられた砂が
歩道に積み重なっている
熱く活発に深紅に燃えていた心・・・
秋の葉の冷たくもある紅色にせめて輝いて欲しい