お酒を
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/11/14 10:28:54
愛したのに
愛されていたのに
風船は壊れた
空気が空気が飛び散るったように
ぐったりとしぼんだ
愛したのに
愛されていたのに
愛は壊れた
シャボン玉のように
パツンとはじけた
波しぶきを追いかけた二人
眩しい白い砂が
飛び散っていった
まるで二人を包むこむ様に
ひいては返す波に戯れていた
街路樹のトンネルを
肩寄せ合って歩いた
カサカサと音を立てて
踏みしめながら歩いた
風が少し冷たい
もうすぐ白い季節がする前に
あなたが言葉を切った
それは別れの言葉
いつから考えていたのか
そんなのってない
悲しすぎて涙も出ない
言えなかったのは思いやり
でもかえって残酷なこと
早く言ってくれていたら
でも変わりはしない
コートも脱がずそのままで
少しだけお酒を
今になって涙が染みる
悲しみが心に突き刺さって
取ることができない
一方的なさようならに
もしもできるとしたら
強く抱いてほしかった
それさえできなかったあなた
もう少しだけお酒を
さすが。見事ですね。
涙酒にならないようにぐっと堪える
あなたはこんな気持ちも知らずに
夢見た恋も、破裂したら悲しい。
どこに行けばいいのか、道さえも見えない。切ないですね。
恋の花も散っていった
沈み込んだ心で一人飲むお酒
グラスの中に揺れて見えるあなたの面影に
そっと口付けをした