【お話】モーニングティー。
- カテゴリ:コーデ広場
- 2019/11/30 04:37:43
おはようございます、お嬢さま。今朝はテラスでお食事ですね。冬の公爵さまより、花束が届いております。
もらったステキコーデ♪:19
今朝は、テラスで朝食をお召し上がりになるとうかがいました。準備はできております。
ごまのドレッシングをかけた温野菜のサラダに、はちみつトースト。ベーコンとスクランブルエッグ。フルーツもございます。
あたたかい紅茶を、まず、どうぞ。
ケニア紅茶のミルクティーです。
本日の茶葉は、冬の公爵さまよりの贈り物です。
お嬢さまあてに、花束を添えて届けられました。香りの強い花ですので、食事の席には飾りませんでしたが、よろしければ、お部屋に飾らせていただきます。
はい、そうですね。
公爵さまは、冬をつかさどるお方であるためか、暑い地方の食事や文化がお好きですね。
寒さの厳しさを知るからこそ、心や体を温めるものが尊いと、御存じなのでしょう。
ええ、ケニアは暑い地方の茶葉ですし。プルメリアも、熱帯地方の花です。
土地を愛した人々に育てられたお茶の葉と、祝福を歌う花の香りです。どちらも、貧しくとも、日々をていねいに生きる、庶民が手掛け、愛するものです。
公爵さまは、そうした小さな、けれど命のこもったものに目を留められるお方ですから……。
そういえば、御存じでしたか?
プルメリアの花には、花嫁の意味があるのですよ。……おや。お嬢さま。お顔にほんのり、炎の色がともっておいでですね。
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モーニングティーをテラスで。プルメリアの花は、花嫁のために、寝室の部屋に飾られたそうです。
すべてが手作業だった時代、衣服は何年にもわたって着るもので、新しい服を仕立てられるのは、お金がある人だけでした。庶民は通常、古着を着たのです。
庶民の花嫁は、何年もかけて、花嫁衣裳の準備をしました。白いドレスではありません。結婚式が終わったあとも着続けることができる、丈夫な衣装を、母親や姉妹に手伝ってもらって、子どものころから作るのです。自分だけの服、新品の衣服であることが、何よりもうれしいことでした。
もちろん結婚式には、おしゃれとして飾りの襟をつけたり、リボンを結んだりはしました。式が終われば取り外せるものです。
それ以外では、花を身に飾りました。周囲の人々も花をあつめて、祝福としました。