即興編曲のカルチャーショック
- カテゴリ:日記
- 2019/12/10 16:07:45
昨日のyoutubeのアレンジの件で色々思い出したことがあったので
なんとなく書いてみます。
以前、ドイツ人のピアニストについていたことがあるのですけど、
それまでついていた日本人の先生と違って全くと言っていいほど「教えて」はくれませんでした。
この先生から学ぶには自分で考えて欲しいところを「盗む」しかない、ということを学んだ機会でもありました。
日本人の先生は、どちらかというとメカニック重視で完璧な自分のコピーを作りたがる方が多いかも。
なので、手取り足取りは教えてくれますが、そのせいで、もともと本人のオリジナリティーの音楽に戻るまでいろんな先生の変な癖がついてしまったりもします。
私も完全コピーさせるタイプの先生ばかりについていたので
それをとって自分のオリジナリティーを見つけるまでけっこう苦労しました。
上手に教える、ということは最低限の材料を与えて
あとは失敗しようが時間がかかろう距離を置きながら
必要な時になったら最低限のフラグを立てて本人に考えさせて工夫させてやらせてみる、が自分の経験では人のオリジナリティーを潰さず育てるコツのような気がしています。
当時、ドイツ人の先生についたときは、いろんな意味でカルチャーショックでした。
「教えてくれない」こともそうですけど、
レッスンの間、私が弾いている隣で即興で伴奏づけし始めるのです><
演奏する方としてはそれに耳が引っ張られて自分で何弾いてるのかわからなくなったりですごく大変でした><
それにしても、複雑な曲や初見の大曲でさえどうして即興でそんな芸当ができるのか?それがショックでした。
最初に先生が私の隣で伴奏づけたのはショパンのバラード第一番でした。
かなり複雑で難しい構成な上にアナリーゼもしていなかったので
転調とか和音構成とか当時全然わかっていないに等しくて、
その複雑な曲を隣で即興でピアノ協奏曲のように思いつきで伴奏づけしちゃうってどうゆうレベル?
どんなに年齢重ねてもこんなドイツ人の先生レベルに達するのは無理、とすごくショックを受けました。
でも、その衝撃のカルチャーショックのせいで、現在作曲の道に戻ってきているのかもねー?w
今だからこそあれがどういう事だったのか?理解できるようになっていますw
根本的には日本とドイツの音楽の教え方の基礎の違い、ですね。
日本の先生は自分自身の経験や知識の問題もありますけど、
完全に音楽をバランスよく把握していない。
自分が経験していないので、当然アナリーゼに重点を置いていません。
私もメカニックや歴史や知識はたくさん詰め込まれましたけど
そのドイツ人につくまで和声学とかアナリーゼ系を人にきちんと教わったのはゼロでした。
ドイツ、ロシア(他の国も?)の音楽家は日本と違って総合的に音楽を把握しているような気がします。
最初に単純な曲からアナリーゼを教えこまれていれば、複雑になっても
理解できるし、元の部品はシンプルなのでアレンジなんて簡単なのですね。
なので、あのドイツ人先生のアクロバット的な即興伴奏も
宇宙人並みの別次元の話ではなかったのです。。
当時、それがわからなかったので
そのレベルの到達は一生無理、とそこで音楽の匙を投げた部分があります^^;
去年、それが作曲の先生に本格的について勉強して、「な〜んだ、そうだったのか」的な理解に至りました。
作品の構造がわかっていれば、アレンジなんてある意味お遊びのようなもの
今だから、わかる、ですね^^
あの当時の即興伴奏のカルチャーショック・・・・
本当にショックでしたね〜。。^^;
アナリーゼ、アナライシス・・分析、ですね^^
そういえば、気づいてませんでしたけど、作曲用語なのかもです。。
基本的に、歌も楽器も、日本の先生は技術だけ教える方がほとんどで理論を一緒に教える方は少ないのかも。
なので、専門分野に進んでから大元の基礎がわからず苦労する方が多いようです^^;
私もまだ作曲家の卵に近い状態ですけど、一応独立して一人でできるようにはなったので
アナリーゼを理解できるまでが長い長いわけのわからない部分のある謎の歴史でしたw
子供の頃は、音楽なしでは生きていけない、という子供でしたけど
いろんな事情で10年ほど全く音楽を聴かない状況になって、また作曲に戻ってきたのも
因果なのかもですね・・・・
一時期あまりに専門的にやり過ぎて音楽耳になりすぎ、常に無意識に分析してしまうので
子供の頃のように素直に楽しんで聞けなくなったのも辛いことでした。
長いのに読んでくださってありがとうございます^^;<(_ _)>
作曲を始めたきっかけを思い当たってドイツ人の先生についていた時の
カルチャーショック体験が今につながっているのかなあ、とふと感じたので
思い出して書いてみましたけど・・
あの時のショックがなかったら作曲の道に来てなかったかもですねw
今はわかるんですね~わからないと何でも別次元に感じるかもですね^^