今日は仕事納めだが、休みの社員も多い。課内の妻帯者は全員休み、自分を含め4人の独身しか出社していない。メールやたまにかかってくる電話の対応くらいで、それも、不急の内容だ。

部下達も休めばいいのに、なぜか出社している。去年、叙々苑の焼肉をおごったので、二匹目のドジョウを狙っているに違いない。世の中は、そんなに甘くないことを、教えないといけないが、今期から、部下が上司を評価する仕組みがはじまっている。

どうして俺が、年末はコミケに行って、コスプレギャルの写真を撮ってこようかなと勤務中に話している馬鹿どもに評価をされないといけないかと思うが、そういう世の中になったのならばしかたない。

1時間休暇をとり、部下達に順番が近づいたらLINEを送るから来いよと言って、銀座コリドー通りの寿司屋「美登里」に並んだ。寒い。雨もパラパラ降ってくる。どうして、俺が、馬鹿どものために寒空で並ばないといけないんだと思うけど、そういう世の中になったのならば仕方がない。

前も後ろも外人さんばかり。英語が飛び交う。話しかけられないように、スマホを出して二コタする。順番が近づいたのに、部下達はやってこない。走って来いとLineを送ったのに、ちんたらと歩いてくる。店員さんに、全員揃っていないと後回しですと言われているのを、すぐそこにいますからと言い訳する。部下達は、思ったより早かったんですね~とのんきだ。

1時間以上、行列に並ぶ価値がある美味しいお寿司だった。部下は、吉野家の牛丼より美味しいですねと、頭をしばきつけたくなるコメントだ。ジャングルの奥地に飛ばしたい気分だが、既に、部下の一人は、ウラジオストックへの転勤が決まっている。ジンバブエあたりに変更になるように画策してみよう。

することがないので、夕方、仕事を部下に任せて、早く帰った。地下鉄の中で、高松への飛行機の予約券を会社に忘れたのに気づいた。部下に、机の後ろのキャビネットに予約のプリントがあるので、写真に撮って送ってくれと頼んだ。

写真がスマホに届いた。部下にありがとう助かったと返信した。寿司を奢ったのは俺なのに、どうして俺が部下に感謝をしないといけないのかと理不尽さを感じるが、予約券を忘れた俺が悪い。そんな仕事納めの日だった。