Nicotto Town



スキー

に、また2月初頭に行くことにしました。奥さんと子供はスノボです。


昨日、だいぶ痛んでいたスキーをメンテナンスに出しました。簡単なメインテナンスは自分でやるし、滑走面の傷なんかも自分で専用のロウ付けのようなもので直しますが、金属のエッジ部分の研磨はデリケートなので、自分ではできません。

スキーを復活させたのが6年か7年くらい前。4年くらい前にスキーの板と靴を新しく買いましたが、その時点で10年落ちの中古の板。でも今もそれを使っているし、当面はそれでいいかなと思っています。

スキーの板も、時代によって変わっています。ここ20年くらいで特に大きかった変化は、20年ほど前のカービングスキーの登場と、ここ数年のロッカースキーの登場でしょうか。

もともとスキーの板といのは、先からオシリまでほとんど幅の変わらない、板切れの様な形でした。この形の場合、ターンをするには谷側(斜面下側)の板へ荷重と、スキー先端方向の接雪面への荷重と、テール側をずらしていくような、ようするに「曲げる」動作が必須でした。

カービングスキーは、トップが太く、真ん中が狭く、テールが太いという形状のため、エッジある側面が湾曲をしています。なので極端に言うと、板を傾けてエッジを立てるだけで、勝手に板がターンを初めてしまいます。つまり、以前のように積極的に板を曲げるテクニックが乏しくとも、ある程度は勝手に板が曲がってくれてラクチン、ということです。
ただ、これはあくまでも「ある程度は」です。言い換えると、単に板を傾けて曲がるだけでは、もともと板の持っているエッジ部分の湾曲に合わせた円弧でのターンしかできない、ということになります。滑るところの傾斜の角度やスピード域、求めるターンの円弧の半径などをコントロールするためには、結局は以前のスキーと同じようなスキルが求められるわけで、スキー板としての本質的は変わっていないかなと思います。滑り方の幅が広がった、というのが実際じゃないでしょうか。

ロッカースキーは、簡単に言うとスキーのトップとテール、もしくはトップだけが、上側に向かって反り返っている形状が特徴です。スキーの板というのは、横から見ると前後が下がって、靴がのる部分が上がっているような弓なりの形をしています。これは人間が上に乗った際に、その重さでスキー板が平らになることを想定した形状です。しかし、スキー板が平らで、かつ実際は弓なりになっているが故に前後がより強く雪面に押し付けられている形状というのは、例えばフカフカの新設などでは非常に滑りにくい形状になります。なぜなら、トップが雪の中に潜り込んでしまうからです。ロッカー形状が登場した理由の一つは、この問題を解消するためでした。ですから、いわゆるスキー場ではない自然の山の中を滑るようなバックカントリースキーや、後ろ向きに滑るなどトリッキーな動きをするフリースタイルなどが興隆してきた現代のスキーにおいて、ロッカー形状は一つの必然だろうと思います。

問題は、もう一つのロッカーの特性です。ロッカーは前後が反り返っていますから、滑走面や、板を傾けた際のエッジ部分の接雪長が、カービングを含めた従来のスキー板よりも短くなります。接している部分、言い換えればターン時に抵抗になる部分が短くなるという事は、クルクルと回転がしやすくなることになります。もちろん接雪部分が少ないとスピードが出ないし、安定性も欠いてしまいますが、ターン時には板が傾くので、結果として反り返ったトップやテールも接雪することになるのでOK、というのはロッカースキーの言い分です。

そうでしょうか。

カービングスキーは、確かにスキーの滑り方を変えましたが、それは先述の通り滑り方の拡張であって、スキーで雪上を滑るという事の技術の本質は変わっていないと思っています。
しかしロッカーは、滑りの幅の拡張ではなく、安定性とのトレードで回転性を上げただけであって、それは性能の向上ではないように感じます。
またターンをすれば接雪面が増えるという言い分もどうでしょうか。たとえ接雪したとしてもそもそもの形状が反り返っている以上は、その接雪圧は原理的に弱く、スキーのターン重要要素であるトップの角付け(トップ方向への積極的な荷重とエッジング)をスポイルすることになります。これは滑り方の拡張ではなく、私は性能劣化とのトレードによって、本質的ではない回転性を得ているだけのように感じます。

ということなので、わたしは今つかっている中古板を買う際に、フルキャンバー(ロッカー形状を持たない従来型のスキー形状をキャンバーと言います)の板だけを対象としました。子供にスキー板を買い与えるときも、ロッカーでスキーを覚えてはいけない、そう考えていたので、ロッカー全盛の時代でしたがフルキャンバーにこだわりました。

で、話が戻って先日のチューニング。
チューニングの依頼をしながら店員さんと話していて、何気なく「やっぱり今もロッカースキーなんですかね、世の中は」とつぶやいたら、意外な言葉が返ってきました。

「いえ、今年あたりからキャンバースキーに戻ってきています。結局ロッカーは違うんじゃないかという風向きになってきたみたいで。アトミック(スキーのブランドです)なんて、フリースタイルやオフピステ用を除いて、全モデルをキャンバーに戻してきましたよ」

もっとも、アトミックの板も特殊な機能が付いていて、直進時は通常のカービング形状で、ターン時にはロッカーに近い形状に可変するのでちょっと微妙ですが。。。

まあ、どっちにしても私はキャンバーしか使わないですけどね。ロッカーも一つくらい持っていてもいいかなと思いますが、活躍するのは私がもっと上達してからですね。下手をカバーするためのロッカーではなく、上手な人がより楽に滑るためのロッカーという考え方なら、一理あると思っているので。

Je veux aller skier bientot.
Au revoir.




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