Nicotto Town


五飯田八宝菜の語学学習日記


ゴタの過去の日記2010年7月2日

7月2日 (水)


「軍曹殿、橋です。橋が見えます。」

「よし、あの橋だ。山田上等兵、あれを、爆破するのだ。」

「はっ。では、このダイナマイトを、さっそく、仕掛けましょう。」

「よし、夕方までに、爆破してしまうのだ。
 敵の戦車は、今夜、移動をするという情報が入った。

「行きましょう。軍曹殿。」

「よし、行くぞ。」

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「どうだ、山田上等兵。全ての橋桁に、ダイナマイトを仕掛けたか?」

「あと、この最後のダイナマイトを仕掛けたら、完了です。」

「よし、導火線を、あの巨岩の 裏にまで、引いていこう。」

「軍曹殿、敵のジープが、来ます。」

「隠れろ。」

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「ヘイ、ユー。 ソコデ ナニヲ シテイル ノダ?」

「しまった。見つかったか。」

「やむをえん。山田上等兵、貴様、英語が、出来ると言っていたな。
 幸いにも、我々は軍服を着ていない。地元の農民だと言って、ごまかせ。」

「ワタシタチハ ヒャクショウ デス。ナニモ アヤシク アリマセン。」

「フーン、ドウダカナ。 ヨシ、ポケットニ 
   ナニガ アルカ シラベテヤル。 ゼンブ、ココニ ダセ。」

「山田上等兵、何と言っているのだ?」

「何か、パケット通信料が、どうの、こうのと言っています。」

「ハヤク シロ。 オレハ キ ガ ミジカイ ノダ。」

「おい、山田上等兵。何と言っているのだ?」

「エーイ、メンドウナ ヤツメ。 
 コンバット軍曹、コノ モノラヲ レンコウシロ。」

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   【敵方、野営キャンプ】

ナンダーカ少佐の取り調べ。

地図、磁石、家族の写真、・・

「ドウミテモ、地元ノ農民トハ オモエナイ。
 オマエタチハ、ニホン兵デハ ナイノカ?」

「(おい、山田上等兵、通訳しろ。)・・」

「(はっ、お前たちは、
  家族思いだ、と言っております。)・・」

「その通りだ。ナンダーカ少佐。
 我々、日本人は、農民であれ、軍人であれ、
 みな、家族思いなのさ。
(おい、山田上等兵、英語に訳して、伝えろ。)」

「ワレワレ、日本人ハ、ヨカッタ。
 ヨカッタ。・・・カナ?」

「ザンネンナガラ、オマエタチヲ、コノママ、
 帰エスワケニハ、イカナイ。 オイ、
 コンバット軍曹、コノ2名ヲ、収容シロ。
 農民デアルコトガ、ハッキリ ワカルマデ収容ダ。」

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「軍曹殿、あの、ジープをかっぱらって、脱出しましょう。」

「だが、山田上等兵。
 見張りの歩哨を、どうして、欺くのだ?」

「軍曹殿。大丈夫であります。
 自分は、今週の占いは、大吉であります。
 とくに、ドライブに、好機あり、と出ております。」

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「おい、山田上等兵、やっとの思いで、
 ジープに辿り着いたのだぞ。
 さっさと、動かして、ずらかるんだ。」

「う、運転の仕方が、わからない。」

「何をたわけたことを、言っているんだ。
 貴様は、元、タクシー運転手だと、言っていたではないか。」

「それにしても、たくさん、レバーが、付いているなあ。
 この、レバーは、何だろう。

 あっ、ワイパーか。 これは、何だろう。
 うわっ。バックした。うわー、止まらない。
 ブレーキは、どれだ。あーっ、あーーー・・」

 ガッシャーーン

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「おい、山田上等兵、大丈夫か?」

「はい、大丈夫であります。軍曹殿、お怪我は?」

「大丈夫だ。それにしても、山田上等兵、
 貴様、英語も出来ないし、運転もできないではないか。
 このふたつが、貴様の2階級特進の理由だったのだ。
 部隊に戻ったら、覚悟しておけ。二等兵に、戻ることになるからな。」

「年齢も、18歳に、戻して下さい。」

「ばか者。 おや? 山田上等兵。
 見ろ、後ろを。ぶつけた、建物は、格納庫だったぞ。」

「うわー、すごいです。戦車が、いっぱい、ありますよ。
 これが、全部、今夜、あの橋を渡るのですね。」

「そのようだな。山田上等兵、急ごう。
 早く、あの橋まで、戻って、任務を完了しよう。」

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「軍曹殿、なぜ、歩いて戻るのですか?
 あのジープで戻れば、早いじゃないですか?」

「貴様のような、へたくそな運転では、また捕まってしまうだろう。
  川床を下って行くぞ。一番安全だからな。」

「あれっ、軍曹殿。飛行機が、やって来ますよ。」

「敵機だ。山田上等兵。あの、ブナの林に、隠れよう。」

「すみません。ブナの木って、どんな木なのですか?」

「そんなこと、言っている場合か!
 さっさと、あの、林へ、逃げ込むのだ。
  哨戒機に見つかると、
  機銃掃射されて、今度こそ、命はないぞ。」

「軍曹殿、お言葉ですが、
 自分は、金比羅さんの、お守りを、もっております。」

「だから、そんな話は、あとだ。急げ。」

「うちのネコは、・・」

「ネコも、あとだ!
(貴様、必ず、二等兵に、降格させてやる!)」

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「軍曹殿、ほら、あれ。
 ボートがありますよ。あれで、川を下りましょう。」

「うむ、しかし、・・」

「橋を爆破する人間が、ボートひとつ、
 なくなるのを、気にするのですか?急ぎましょう。」

「・・・仕方がない。不本意ではあるが、そうしよう。」

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「軍曹殿、橋です。戻ってきました。」

「うむ、爆薬の仕掛けが、
 気づかれていなかったら、よいのだが、・・・」

「あります。ほら、仕掛けは、そのままです。」

「よし、岩陰に隠したあの爆破ボタンのところへ、急ごう。」

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「日が、暮れてきたな。山田上等兵、準備は、いいか。
   わしが、合図したら、そのボタンを押すのだぞ。」

「はっ。」

「おっ。敵の戦車が、来たぞ。よし、今だ。押せ。」

「押します。」

  カチャッ。
  パーン。 パーン。 パーン。パーン。

「何だ、これは、花火じゃないか。おい、山田上等兵、貴様、
 ダイナマイトと花火を間違えて、持ってきたのか?」

「え?えー。」

空に、きれいな花火が、上がりました。夏ですね。
暑中おみまい申し上げます。

パーン。

山田 錦でした。




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