雪そして春
- カテゴリ:小説/詩
- 2020/05/09 00:45:17
そうだ雪が降っていた
この景色はすべてが冷たく白かった
今はどうだろう
吹く風も暖かく全てが緑に萌えている
つるバラも無数の蕾を付けた
もうじき赤い小さな花を咲かせる
枝に触れると棘が痛い
私もバラも生きているのだ
瞬時に思い出す
そうだ雪が降っていた
心の小さな感傷が
冷たく白い雪に温かな涙を落とした時を
今
風に勝るとも日差しは暖かい
どこまでも優しく
それは私を照らす
目の前の光る緑の葉に
私は思いっきり息を吹きかけた
強く
揺れた
春の風があたるより
それは強く
人間も広くとらえれば自然の一部なのかもしれません
長い長い地球の歴史の中で
今さっき発生したうごめく泡のようなの存在?
僕たちは生きている事を意識して
確認する機会ってあまりない
風のように息で枝を揺らすこともできるし
涙の雨を降らせることもできる
人間って底知れない力を持っているのかもしれない
気づくか気づかないかだけ
加えて逆に力が弱い所も多くあることに気づかない
一人では生きていけないということだと思う
肉体的にも精神的にも
強いけれど儚く弱いということを悟るべきと思う
人間や生命の中にも芽吹きがあるのかも知れない。
いやそれこそが自然の摂理というものか?
うららかな陽射しより、そよぐ風よりも
生きとし生けるものの呼吸が、この世界を揺らしているのか。