青色の切符
- カテゴリ:小説/詩
- 2020/05/20 11:08:52
あなたはどこに行ったのだろう
もうそんなことは考えまい
それもこれも過ぎたこと
明日の風に乗せたかった
でもまだ握りしめている
朝が来て夜が来て
夜が来てまた朝になって
あなたのことばかり考えている
もう取り戻せない時間なのに
私の背中にしがみつく
愛はいつも片道切符
終着駅はわからない
どこかの人と結ばれるのか
そのさきを一人行くか
旅たつ前でもわからない
私の手のひらに青い切符
それはどこに着くのだろう
何も書いてない青い切符
誰かも持っているのだろうか
その人と結ばれるのだろうか
ベランダに出て夜空を見る
都会の夜空に星は少ない
そんなことをあなたと語った
あんな時間があったのに
空虚な夜空が物語る
さよならは言わなかった
さよならは言えなかった
だって別れたくなかった
青色の片道切符はささやく
もう忘れてしまいないよと
あなたは知らなかった
あなたの切符の存在までも
見せてとはいえなかった
なんだか怖かった
二人はずっと続くのだろうか
いつかははぐれてしまうのだろうか
あなたはその時気づくであろう
あなたの切符の存在を
何も書いて無い切符には行き先が書いてあるかも。ただ涙で見えないのかも。
新しい恋ができるといいですね。
一枚の切符
それを手にして
また旅に出る
どこの街に着くのやら
風に聞いても返事はない
今日も線路は果てしなく遠い
不確かな蜃気楼へと続いている