Nicotto Town


五飯田八宝菜の語学学習日記


685番:「星」(7)

685番:「星」(7)
        
         【15】
Et ta bonne amie,  berger,  est-ce  qu'elle monte te voir quelquefois ?...
Ça doit être bien sûr la chèvre d'or,  ou cette fée Estérelle qui ne court
qu'à la pointe des montagnes...
    Et  elle-même,  en me parlant,  avait bien l'air de la fée Estérelle,
avec le joli rire de sa tête renversée  et sa hâte de s'en aller qui faisait
de sa  visite une apparition.*


                              訳
ねえ、あなたのガールフレンドは、ときどきは、ここまで坂を上って
あなたに会いに来るの? あなたのガールフレンドって、きっと、
金色に輝く雌山羊さんね。それとも、山の頂でしか走り回らない仙女の
エステレルさんだわね、きっと。
 
それで、ステファネットさん自身が、私には、仙女のように思えたのです。
上を向いて華麗に笑う姿、今現れたかと思えば、パッといなくなるその
様子は、まるで仙女エステレルのようでした。

        《語句》 
* faisait de sa  visite une apparition     (faisait 発音注意:フゼ) (フェゼではない)
 faire de ~ …  ~を…にする
 hâte(f)急ぐこと
   s'en aller  立ち去る


     【16】
——Adieu, berger.

——Salut, maîtresse.

    Et  la voilà partie, emportant ses corbeilles vides.
Lorsqu' elle  disparut  dans le sentier en pente, il me
semblait que les cailloux,  roulant*  sous les sabots
de la mule,  me tombaient un à un sur le cœur.



      訳
——それじゃあね、羊飼いさん。

——さよなら、お嬢さん。

そしてお嬢さんは、空になったカゴを持って出発しました。
坂の小道にステファネットさんの姿が消えてなくなったとき
私には、石ころが、ごろごろとラバの蹄の下から転がってきて、
私の心臓めがけて、ひとつ、またひとつと、落ちてきたように
思えました。

     《語句》
partie < partir (自) 出発する、立ち去る、帰って行く
  ※ partie を見てそのまま辞書で「partie」の箇所を引いて
    「一部」と訳した方、いらっしゃいますか?
   この文は la voilà があって、ややこしいので、さもありなん。
   本来 voilà  は 「ほら見なさい」で、その目的語が la で
    là(そこの)「彼女を見よ」 プラス 過去分詞
    彼女が~(過去分詞)である(をしている)のを見る
    普通のvoir ならpartir も不定詞のままだが、これは
    もはや「見る」という概念からそれて、
    ほとんど、意味を持っていない。尚、目的語を頭にもった
    voici ,  voilà は 過去分詞が後ろに着くとき、目的語代名詞と
    性数一致させます。
    この単純な文に、分詞構文がついて、文章がかっこよくなって
    ・・・いるかどうか、初心者の私にはわからないが、バランスは
    とれていると思います。
sabot  (m) (牛や馬の)蹄
    

アバター
2020/11/08 17:15
『星の王子様』ですが、出だしの面白いデッサンの話が
この日記では出来ません。中止にしようか、強行しようか迷っています。
アバター
2020/11/07 17:37
コメントありがとうござます。お仕事おつかれさまでした.
日が短くなりましたね。『星』の舞台となっている「リュブロン山地」も緯度がたかいため
午後4時には暗闇に包まれるようです。行ったことはありませんけど、緯度から推しはかれば
午後4時は真っ暗だと思います。
『星の王子様』もぜひここで取り上げたいと思っています。
そのときには、日本語部分だけでも、ぜひご参加くださいな。
「紅の豚」のイメージと確かに重なると思います。

『星の王子様』を取り上げるつもりですが、1点だけ条件付きです。
ここで取り上げている作品は、廃版、絶版の対訳書が中心なのですが、
『星の王子様』は、現在対訳書、注釈書が数点、現役で市販されています。
つまり、出版社から削除要請がくれば、その時点で打ち切りでーす。
そういう、「やばい」学習ですけど、しましょうね。やばいの大好き!
アバター
2020/11/07 16:54
ゴタぴょんさん、こんにちは。

こんにちは、の時間と思うんですけれど、もう、こんばんは、のようなお外の明るさです。
ずいぶん陽が短くなりました。

「星」とあったので、最初、サン・テグジュペリの「星の王子様」かと思っちゃいました。
実はあの作品、ターゲットは大人なのでは?、と思っています。
「本当に大切なものは、目には見えないんだよ。」
残念ながら、私には原文を読むフランス語の力はないので、微妙なニュアンスはつかめていないのかもしれません。

そして、ジブリ作品の「紅の豚」のポルコ・ロッソのモデルは、もしかしたらサン・テグジュペリ?、とも思っています。



月別アーカイブ

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017


Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.