Nicotto Town


ジュンチャン


ブラジルの笑い話 その66 釣りバカ


サンパウロの田舎町で、苦労に苦労を重ねてやっと小さなスーパーマーケットを繁盛させ、今後は経営を息子に任せて、余生は町のために市会議員になって恩返ししようと思い立ったジョアンは、勿論選挙運動の仕方もわからないが、木陰で車座になって話しこんでいる貧しい労働者達に欲しいものはないか尋ねた。

1人目の男は釣竿、2人目の男は針とウキ、3人目の男は魚籠をほしがった。

魚釣り道具ばかり欲しがり不審に思っていたが、4人目の青年はエンシャーダ(くわ)をほしがった。

それを聞いたジョアンは「やっと、働く意欲のある青年に出会った。よし、スーパーの一番高価なエンシャーダ(鍬)を贈ろう」と喜んだ。

しかしその青年は「そんな高価な物でなくていいんです。ただ餌のミミズを探すだけですから」と答えた。




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