【お話】明日のわたしのための魔法。
- カテゴリ:コーデ広場
- 2020/12/10 11:39:56
明日のわたしのための魔法。花の蜜をお茶に入れる、それだけ。でもそれだけで、何かが支えられる気がするの
もらったステキコーデ♪:13
お湯は、やかんで沸かすところから。
しゅんしゅん言うのを、ゆっくり待つの。
ティーポットとカップの準備をしましょう。
今日は、おばあちゃんから譲られた、なつかしいポットを使うの。
はちみつは、何があったかしら。
ちょっと贅沢に、お高い目のを使いましょう。
お湯が沸いたら、ポットとカップに注いで、
一度お湯を捨てて、
温まったポットにお茶の葉をティースプーンではかって、いれて、
お湯を注いで、ティーコゼーをかぶせるの。
そしてさあ、また待つわ。今日のお茶の葉の大きさだと、三分かしら。
砂時計をひっくり返して、ぼんやり眺める。
この時間が好き。
ていねいに、手順を確認しながら、お茶をいれる。
ねえ、でも、これだけやっても、十分か二十分。それぐらいなのよ。
それぐらいなんだけど、ていねいに手順をたどっていると、
いろんな時間を、思い出す。
初めて、ポットでいれたお茶をいただいた時。
そうっと持ったティーカップが、宝物みたいに思えた。大人扱いしてもらえたみたいで、うれしかった。
気になっていた喫茶店に、一人で入った時。
ていねいに入れてもらったお茶が、温かかった。
初めて、誰かのために、お茶をいれた時。
緊張したけど、美味しいって喜んでもらえて、わたしも笑顔になった。
おばあちゃんから、このポットをいただいた時。
お葬式から帰って、しばらくしてから形見分けで届いた。ぼんやりと、もう会えないんだと思った。
いろんなことが、あった。
いろんなことを、越えてきた。
だから、ていねいにお茶をいれるの。
手順ははぶかずに、一つ一つ確実に。
そうやって、お茶をいれていると、
何かに、つながっている気がする。
何かが、修復されていく気がする。
あなたのことを、覚えているよと、
忘れていないと、
そう言ってもらえているような、気がするの。
さあ、
砂が落ち切ったわ。もう充分ね。
カップにお茶をそそいで、はちみつをひとさじ。
くるくる、ティースプーンでかきまぜて。
あがってくる、ほんのり甘い、やわらかな香りの湯気を吸いこんで。
明日のわたしに、つながるひととき。
小さな魔法に、感謝して。いただきましょう。
***
紅茶の場合、はちみつを入れると、お茶の色が黒っぽくなるので、
ミルクをいれて、キャンブリックティー(麻布の色風のお茶)にすることが多いです。
でも自分用なら色は気にせず、香りを楽しみながら飲んでOK.ということで。
茶葉も、和の紅茶(日本産の紅茶)の場合は、味がやわらかいので、ミルクなしの方が美味しかったりします。
最近は、アーモンドミルクなどありますので、牛乳ではなく、そちらを使うことも増えました。
これから見たいアニメです
しのさんのお茶好きはおばぁさまの好きがあったからなんですね
美味しくいただく時間は大切です