Nicotto Town



「初恋②」のつづき


「告白」 

次の朝、いつものように野球部の友達の山田と大川が、迎えに来た。 
学校と、彼らの家との間に僕の住むマンションがあって 
いつも 二人が迎えに来て朝一緒に学校に行っていた。 
僕は、彼女がいる山田に聞いた。 
「山田、お前さあ 幸子と付き合う時なんて言ったの」 
山田はニヤニヤしながらいった。 
「お前とうとう告るんか」 
「そんなこと自分で考えろ ばーか」 
僕は、小さな声で言った。
「まあ確かに そうだけど・・・」 
心の中で「わかんねえから聞いてんだよ」 と叫んだ。 

部活の朝練に来ていた、彼女と下駄箱でバッタリ会った。 
彼女は、僕に 俺が見たことは雨がるってことか笑顔で言った。
「おはよう海くん」 
「ああ、おはよう」 
これが彼女との初めての会話だった。 
「あの・・・ 部活が終わったら裏門で 待ってて」 
僕がそう言うと 
「うんわかった!待ってるね」 
彼女はそう言って部活に走って行った。 

山田と大川は、 
「お前、まさか告るのカーコ?」 
「男子の一番人気だぜカーコは 無理無理 !」 
「でもせっかく決心したんだから告ってこい」 
「振られたら俺達が、帰りジュースをおごって残念会してあげるから頑張れよ」 
そう言って肩を叩いた。 

部活の朝練が終わり 授業中も 告白の言葉を ずっと考えていた。 
こんなことなら書いた手紙を先渡したらよかった。 
そう思いながら 難しい顔をしている僕の顔を見て 
松本さんは、笑っていた。 
午後の授業が 終わると 松本さんが僕の席に来て、 
「海くん 男の子なんだからビシッと告るのよ」 
そう言って僕の肩を叩いて、部活に行った。 

部活が終わると彼女が 松本さんと一緒に学校の裏門で待っていた。 
松本さんが僕に、 
「じゃあ!海くん頑張ってね」 
「カーコバイバイ! また明日」 
そう言って下校して行った。 

僕と彼女は、松本さんにバイバイと言って見送った。 
二人になると僕は、
「ごめん 待たせたね」 
彼女にそう言った。 
「ううんいいのモロとお話もあったから」 
(松本さんのあだ名が”モロ”) 
いつも人が少ない裏門に よく見ると いっぱい人がいた。 
「山田と大川めみんなに告ること言ったなあ」 
僕は心の中で舌打ちをした。 
ヒューヒューと馬鹿騒ぎしてる奴らもいた。 
 
「カーコの家まで歩きながら話してもいいかな」 
僕は彼女に、そう聞くと 
「せっかくだから マックに行こう」 
彼女は、学校から一番近いマックに一緒に行こうと言った。 
告白と初デートが一緒に 緊張が MAX だった。 
この気持ちがばれないように冷静に僕は言った。 
「そうだねマックに行こう」 
僕は何を話したらいいか わからないまま彼女と二人でマックまで歩いた。 
僕たちは、ダブルチーズバーガーと ポテトとコーラを頼んだ。 
席に着くと 僕は手紙のお礼を言った。 
「手紙ありがとう、実は僕もカーコと初めて会った日に手紙を書いたんだ」 
「私もらってないよ」 
彼女は、驚きながら言った。 
「僕も直接 渡せなくて 松本さんに頼んで渡してもらおうと 
 思ってたんだけどそれもなかなかできなくて」 
「そしたらカーコから手紙が来てびっくりしたよ」 
「びっくりよりも嬉しかった」 
「順番が逆だった。ごめんね」 
「カーコ 僕は、転校した初日に階段の踊り場で 会った瞬間に君に、恋に落ちた」 
「好きです。僕と付き合ってください」 
とても彼女の顔を見てられないので下を向いて言った。 

彼女からの返事がなかったので 僕は顔上げて彼女の顔を見た。 

彼女の目からは大粒の涙が溢れていた。 
僕は、どうしたらいいかわからず、 
彼女に、涙を拭くようにハンカチを渡した。 

彼女はやっと口を開いた。 
「海くんありがとう」 
「私の好きと海くんの好きが交わった」 
「海くんと初めて会ってからこの一か月 
 私は、ドキドキしっぱなしだった」
「泣き虫でごめんね」 
「今日の涙は嬉し涙から許してね」 
「海くんが私に書いた手紙明日ちょうだいね」

これで僕たちは、楽しい恋愛ができると思っていた。




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