「海と波乗り達と彼女」のつづき
- カテゴリ:恋愛
- 2020/12/29 15:20:04
第20話「二度目のローズボール」
カーコは、チアリーダーを止めていたので
今回はスタンドから猛・仁達と応援することになった。
今年も ローズボウルの試合を見に猛・仁が来てくれた。
ハワイのホームステイ先のデビットと奥さんのモアナ娘で同級生のアメリアと、
ノースショアのボブも駆け付けてくれた。
僕の両親と姉と妹も招待した。
ローズ・パレードを みんなと少しだけ見学して、 僕は、先にスタジアムに行った。
今年の対戦相手はオレゴン大学ダックス、ユニフォームは黄色一色 ヘルメットも黄色O のマーク。
今年は、主力四人がケガで、試合に出れず苦戦が強いられると予想されていた。
その中でもエースクォーターバックが、いないのが痛かった。
第1クォーターは、オレゴンダックスに21点取られて0-21で終了した。
第2クォーターは、オレゴンダックスに14点取られて7-35で終了した。
非常にタイトな試合になってきた。
第3クォーターは、 オレゴンダックスをディフェンスが押さえ込み0点に抑えて
クォーターバックと 他の選手が噛み合ってきた スタンフォード大学は14点取って21-35 で
最終第4クォーターを迎えた。
僕は厳しい敵のディフェンス に遭いながらも 2タッチダウンを奪った。
第4クォーターそうそう オレゴンダックスにタッチダウンを奪われて21-42 と得点差を広げられた。
絶望的だと思われる得点差だったけど僕たちは、諦めていなかった。
ヘッドコーチの指示で 僕は、右のワイドレシーバーの位置から クォーターバックのコールの前に
真ん中に移動してそこからまっすぐ真ん中を僕は、走った。
ディフェンスをかわすと加速して パスディフェンスを振り切った。
ウォーターバッグの投げたボールが胸にしっかりと抱いたまま僕は、タッチダウンをした。
この作戦に相手チームは動揺した。
相手ボールになると じわじわと時間を使っていたが ディフェンスの頑張りで
ボールを奪い取り攻撃のチャンスを得た。
ヘッドコーチの指示で次は僕は左のワイドレシーバーの位置にいた。
僕をダミーにして クォーターバックは右のワイドレシーバーへタッチダウンパスをした。
その後、相手攻撃をディフェンスが頑張ってラスト5分で 攻撃権を奪った。
ヘッドコーチ の作戦は、僕が 右のワイドレシーバーの位置から
30ヤード走ったところで中央にカットインして中央でボールを受けるという作戦だった。
ディフェンスは、僕のカットインについていけずパスを受けてそのままタッチダウンをした。
この時点で41-42 フィールドゴールをすれば1点追加で同点で延長になる。
ヘッドコーチは、フィールドゴールではなくギャンブルを選んだ。
一気に逆転を狙ったのだ。
この作戦には、会場中がどよめいた。
ヘッドコーチは タイムアウトを取り 選手を集めた。
作戦はこうだった。
僕が、クォーターバックのコール前に、右ワイドレシーバーの位置から
クォーターバックの後ろの方向に 走って コールと同時に
クォーターバックからショルダーパスの受け取り
タッチダウンゾーンにいる レシーバーに タッチダウンパスを投げるか
そのまま走ってタッチダウンをするか状況によって判断するという作戦だった。
オプションという名のプレイだった。
練習はしたが、試合でするのは初めてだった。
全員に緊張感が走った。
僕は、タッチダウンパスを投げると決めていた。
クォーターバックからボールを受け取った僕は、レシーバーを探した。
フリーのレシーバーはいなかった。
左のガードディフェンスラインが、相手ディフェンスをしっかり
ブロックしていたのでその隙間を走った。
相手ディフェンスも命がけで僕を止めに来た。
タックルオフェンスラインが、ことごとくディフェンスを潰してくれた。
空いたところを探して僕は、一気にタッチダウンをした。
みんなのおかげで僕は2年連続、勝利を決めるタッチダウンを決めることができた。
テレビ中継のアナウンサーは奇跡だ奇跡だと言っていた 。
次の日の新聞にも奇跡の勝利と見出しで書いてあった。
今日の勝利は、選手達よりもヘッドコーチの作戦勝ちだった。
会場は大歓声に包まれた。
閉会セレモニーが終わると 僕はスタンドに 駆け上がってカーコにウイニングボールを渡した。
みんなが集まりスタンドがお祭り騒ぎになった。
猛・仁・ハワイのホームステイ先のデビットと奥さんのモアナ娘で同級生のアメリアと、
ノースショアのボブ みんなが、僕を祝福してくれた。
僕の両親と姉と妹も 涙を流して喜んでくれた。
カーコが、姿を消して辛い一年だったけど 元旦の日にサプライズが起こった。
つづく