844番:さすらいの青春(68~70)
- カテゴリ:日記
- 2021/01/25 22:37:21
【68】
Et c'étaient de longues discussions, des disputes interminable,
au milieu desquelles je me glissais avec inquiétude et plaisir.
訳
それは、長々と続く議論であり、果てしもない論争だった。
論争のさなか、私は不安と喜びを感じながら、こっそり
彼らの中に入り込むのだった。
《語句》
me glissais <se glisser 忍び込む、そっと入る、
{dans}(に)知らぬ間に入り込む
au milieu desquelles = au milieu de ∔ 関係代名詞
一般に「前置詞」+「関係代名詞」となる場合
「人」+ 関係代名詞は 「前置詞 + qui 」
「物」+ 関係代名詞は 「前置詞 + lequel
+ laquelle
+ lesquels
+ lesquelles
【69】
Meaulnes ne disait rien; mais c'était pour lui qu'à chaque
instant l'un des plus bavards s'avançait au milieu du groupe,
et, prenant à témoin tour à tour chacun de ses compagnons,
qui l'approuvaient bruyamment, racontait quelqeu longue
histoire de maraude, que tous les autres suivaient, le bec
ouvert, en riant silencieusement.
訳
モーヌは何もしゃべらなかった。しかし彼のために、お喋り好き
な中のひとりが前に出て、大声で、そうだ、そうだとはやし立て
る仲間の一人一人から証言を取りながら、畑泥棒をした話やら
何やら、長ったらしい話を聞かせるのだった。みんな口を開けて
にやにや笑いながら、静かに聞いていた。
《語句》
bavards < bavard(形) おしゃべりな、冗舌な
s'avançait(半過去,3単)<s'avancer 前に出る、進む、先走る
témoin (m) 証人、目撃者
Je prends à témoin の略で témoin それが証拠に...何よりの証拠だ
(文頭に置かれて同格的に)
témoin それが証拠に...
prenant à témoin
prendre qn à témoin 人に証人になってもらう
témoin それが証拠に...
tour à tour かわるがわる、交互に Nous chantons tour à tour.
私たちはかわるがわる歌う。
bruyamment (副)大きな音を出して、騒々しく
à chaque instant 絶えず
maraude [古] ならず者
maraude ² (f) 畑荒らし
taxi en maraude 流しのタクシー
bec [ベック](m) 鳥のくちばし、 [話] 人間の口
suivaient(半過去、3複)<suivre (他)あとについていく、従う、たどる
ここでは(話を)たどる、話を注意して聞き入る
【70】
Assis sur un pupitre, en balançant les jambes,
Meaulnes réfléchissait. Aux bons moments, il riait
aussi, mais doucement, comme s'il eût réservé ses
éclats de rire pour quelque meilleure histoire, connue
de lui seul.
訳
教室の机の上に座り、足をぶらぶらさせながら、モーヌは
考えていました。頃合のいい頃に、モーヌも笑った、ただし
穏やかに。まるで爆笑を彼だけがわかる最高の話が出た時の
ためにとってあるとでもいう風だった。
《語句》
pupitre (m) 教室机、 pupitre d'écoliers 小学校の机
réfléchissait <réfléchir (v/t) 熟考する、しっかり、ちゃんと考える
riait(半過去、3単) <rire (v/i) 笑う
念のため、全人称のチェックをどうぞ
(1単2単3単1複2複3複)の順です。
riais, riais, riait, riions, riiez, riaient
(リエ、リエ、リエ、リイオン、リイエ、リエ)
comme si (英語as if) あたかも~であるかの如く
comme si のあとには、直説法半過去または大過去がきます・・・と
書きかけたら、接続法大過去がきました。かなんわ~
eût réservé (接続法大過去)<réserver (人のために)取っておく、
用意しておく
éclats < éclat(m) 爆発音、大きな(はじける)音、大きな声
connu (過去分詞)<connaître (v/t) (情報、事実などを)知っている
en balançant (gérondif)* < balancer (v/t) 揺り動かす、振る
* 動名詞でもなく、現在分詞でもないこの形は、日本語訳
はされていません。ジェロンディフとそのまま用いています。
「なぜ、訳されなかったか」って?、そんなこと私に言われ
ましても... (;^_^A まあ、en + 現在分詞 =ジェロンディフ
でございまして、「同時性」「様態・手段」「原因・理由」
「条件・仮定」「対立・譲歩」などを表す・・・と本には
書かれています。まあ英語の分詞構文のカウンターパート
ということで、よろしく。そうそう、ここでは「~しながら」
と訳します。「同時性」と「様態」を、股にかけた表現。なお
「対立」「同時性」を強調する場合、en の前に、よくtout を
つけたりします.。Tout en sachant la vérité, il n'a rien dit. / 真実を
知っているくせに彼は何も言わなかった。(ロワイヤルp2181)