タケシの武勇伝…(15)
- カテゴリ:自作小説
- 2009/10/15 03:18:56
薄暗い廊下から明るいホールに出たタケシは、いきなりのまぶしさに思わず目を伏せた。だが、まぶしかったのはタケシのいるところだけで、それも日差しのせいではなかった。
ガラス張りの高い天井の真ん中には大きなシャンデリアがぶら下がっており、その金ピカな飾りに反射した光が様々な角度からタケシの目を射抜いたからだった。
…これは設計ミスだろ!
タケシはこう思いながら目を伏せたままホール下部を覗いてみた。すると、なぜこんなにシャンデリアがキラキラしているのかがようやく判った。
光が届かないはずのホール下部に、シャンデリアの反射光が鮮やかに揺らめいていたのだ。しかも、金色だけに見えたシャンデリアには別の何かが仕込まれているようで、走馬灯のように駆けめぐる金色の小さな点の中を、時おり大きな銀色の光が飛び交っていた。
…ホーンテッド・マンションか、ここは?
銀色の光がお化けに見えたタケシは瞬間こう思った。だが実際は、金色の光は星、銀色の光は星雲の形をしており、光の当たらないホール下部にシャンデリアの反射光を使って宇宙を表現していたのだ。つまり、逆さのプラネタリュウムだったのだ。
…すっげー、なにコレ!
タケシは、そのあまりの美しさに思わず足を止めて見とれてしまった。
その間にも、シンさんを乗せた車椅子はホールを取り囲む上階廊下を進み、とある扉の前でピタリと止まった。
車輪の音が止んだことでようやく見とれるのを止めたタケシは、急いで扉の前に向かって行った。
普通なら駆け出すところだが、家の造りに気圧されたのか、走ってはいけない学校の廊下のような足どりになっていた。その格好は、まるで覚えたての競歩選手か、うっかり忘れ物を取りに戻るサラリーマンのような格好だった。
※※つづく※※
・・・眠っ、、、限界です・・・(100コイン、ゲ、ゲットぉ…)
タケシくんの手、早く治ってほしいですっ(・ω・`)
シンさんの家、すごいですねっ・・・!