ネタばれ読書日記『逃亡作法』
- カテゴリ:小説/詩
- 2021/02/04 21:24:35
『逃亡作法 TURD ON THE RUN』著:東山彰良
評価★1
あらすじ
死刑制度が廃止された日本、敷地から出れば埋め込まれたマイクロチップ『アイホッパー』によって犯罪者を失明させ逃亡を防ぐ収容施設〈キャンプ〉。囚人であるツバメは仲間と冗談を言い合い、時には韓国人グループと反目する無為な日々を過ごしていた。それがXクラスの凶悪連続少女暴行殺人犯、川原昇の収容によって一変する。川原昇への直接の復讐を誓った被害者父親たちのグループが施設に侵入し、アイホッパーの装置を解除してしまったのだ。前代未聞の大脱走劇が始まる。問題の川原昇はツバメのグループに付いて来てしまう。そのため、父親グループと対決することになる。さらに海外逃亡資金確保のためにヤクザ組長の愛人の誘拐をたくらみ、韓国人グループとも再会。壮絶な騙しあい、殺しあいの末、ツバメ一人が韓国への逃亡に成功する。
感想
あらすじ間違ってたらごめんなさい。第一回このミス大賞ということで読んでみて、確かにパワーがあってバイオレンス小説何だけど、後半読むのがきつくなって流し読みしました。。
ずーっと神の視点で描かれていて、登場人物の内面に踏み込まないので何ら共感できません。主人公ツバメ(李燕 というのが本名)は一緒に逃亡した仲間が死んでも平然としているし、目的はただ逃げることのみ。凶悪サイコパスの川原は母親に虐待されたようなことを言いますが、川原を告発したのは実の妹だと説明されてます。どういう人間関係??そもそも、より効率的に逃亡を図るつもりなら世間でも注目の的の凶悪犯と一緒に行動するのは矛盾してるわ。
キャラクター造形で感心したのは父親たちのグループ。まあ、そういう人たちがテロを起こすこと自体ありえないと言えばそうですけど、元が素人のためリーダー以外は詰めが甘い。そのためキャンプで川原を殺し損ねて囚人の大脱走事件を引き起こしてしまうのです。
興ざめします。