Nicotto Town



ネタばれ読書日記 葉真中 顕2/2(絶叫)

『絶叫』あらすじ

とあるマンションから死後数か月、警察官たちも躊躇するほどの惨状の死体が発見された。部屋の契約者の名前は鈴木陽子。孤独死の可能性が考えられたが、同世代の死者に同情した刑事の奥貫綾乃は鈴木陽子の人生をさかのぼるうちに驚愕の事件に気付く。
ーー陽子、あなたが生まれたのは、
転落する女の軌跡。何者かが鈴木陽子という平凡な容姿に平凡な頭脳しか持たなかった女に語りかける。地方の都市に生まれ、男の子が欲しかった母親は娘に目もくれず、弟を溺愛した。しかし弟は中学生で自殺、父はバブル崩壊後失踪、家庭は呆気なく崩壊した。一度は高校の先輩と結婚するも3年で離婚。生保レディとして働くうちに贅沢を覚え、保険が友人知人に売れなくなると枕営業と不正までして契約を取るようになった。その頃、生活保護を申請するまでに落ちぶれた母親と再会し仕送りをしなくてはならなくなる。やがて風俗まで落ち、ヒモになった元ホストのDVにさらされる生活を送る。そんな中で知りあった表向きはNPO法人、実際は犯罪者グループの首領・神代(コージロ)に陽子は保険金殺人を持ち掛ける。書類上陽子の夫にしたヒモ男を殺害した後、半年、そして実態のない書類上の元ホームレスとの結婚で神代と陽子は同じ犯罪を2度繰り返す。すべての準備を整えた陽子は3人目の被害者となる予定の元ホームレスの八木に犯罪を暴露し、神代を殺害、多額の現金を奪って逃走した。そして秘密裏に借りていたマンションで風俗嬢時代に知りあった天蓋孤独で2歳違いの橘すみれを殺害、彼女の保険証と大切にしていた〈へその緒〉を奪い、密室に死体を放置した。
神代殺害と連続保険金殺人事件が容疑者死亡で終結した後、鈴木陽子の父親と疑われるホームレスが死にDNA鑑定に回されたが結果は他人。刑事・奥貫綾乃はホームレスが他人だったのではなく、DNA鑑定に使われたへその緒が偽物だった可能性に気付く。もちろん最初の腐乱死体を鈴木陽子と判断したDNA鑑定も同じへその緒を使っている。警察官としてあるまじき感情だと考えながらも綾乃は人生から逃げきった女に賞賛を覚えずにはいられなかった。
最後に時間は事件発覚前に戻る。
橘すみれとなった『私』は鈴木陽子の母親を殺害して遺体を山中に遺棄する。
首を絞める最後の瞬間、私の口が発した言葉は「ありがとう」だった。「ありがとう」と死にゆく母親に絶叫し、これからも人生を戦い生きることを誓った。

アバター
2021/03/04 13:36
インモラルな内容ではあるけれど、
ヒロインが殺人至る動機がしっかり描かれていて、
感動するのでしょうね
アバター
2021/02/23 12:40
なんかすげーおおお! 絶叫!



月別アーカイブ

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.