エデンと蛇。第一章 2
- カテゴリ:自作小説
- 2021/03/07 14:58:42
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分厚いコンクリートの個室にいるベータは楽譜を書いてはシンセサイザーで作曲していた。防音室は彼のために職員がこしらえた。
彼は一度聞いた曲はどんな楽器でも再現できる。
絶対音感を持っているのだ。
コピーなら必要ないが作曲には感性が必要になる。
美々はベータを中庭の桜のもとに連れて行った。
木のベンチに座らせると周りを囲む建造物が観客のようにさえ見える。
ベータは無口と絶対音感の他は普通だ。
暇な時は映画鑑賞しているようだ。
彼も20歳。
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