『夢十夜』、安寿の場合
- カテゴリ:日記
- 2021/03/13 15:36:11
夢の中の私は、
仕事を進める上で、
何かしらのトラブルに見舞われている。
曰く、自分のセミナー会場が見つからない。
パソコンが立ちあがらない。
スクリーンに画像が映らない。
何とかしようと、自分の会場を探し回り、
パソコンを再起動してみるのだが、
何一つ思うようにならない。
そうこうしている内に、
時間はどんどん過ぎ去っていく。
そこへ私の上司に当たる人が現れて、
「お前にとって、私は卵の殻だ。
お前こそ、卵の中身なんだ」
という主旨のことを宣う。
この組織でお前のことを守ってやっているのは、この俺だ、
だから、守られている立場だということをよくわきまえて、
しっかりと仕事をしろ、
と叱責したいのか。
それとも、
上司と言えども、俺たちは組織の外形を形作っているだけで、
この組織の売り物である、事業の中身を作っているのは君たちなんだ、
と謙遜しているのか。
どちらにしても、
何か腑に落ちなかったので、
私は次のように言い返した。
「いいえ、私の方こそ卵の殻です。
私の中身は、あなたを含め、
多くの方からの借り物で出来ています。」
そこで目が覚めた。
夢の中でも、
納得がいかないと反論しようとする私がいる。
しかも、相手の急所を突き、
一本を取ろうとする私がいる。
同時に、
私には中身と言えるものがないこと、
すべては他人からの借り物であり、
それらをやりくりしながら糊口を凌いでいることを
夢の中の私は分かっている。
夢の中の私は、
私のことを私以上によく知っている…。