ルキフグス。
- カテゴリ:日記
- 2021/04/30 00:13:00
「ぎゃはははは、すげーすげーすげー。やっぱスゲー。魔人様にひれ伏せ、この魔人バズズ様になぁ」魔力の球が四方に飛んで行く。
魔界の王都から離れた1つの街を壊した程度で、白銀の猿の魔人バズズは自惚れていたのだろう。
街が修復していく。
魔弾で壊したはずの街が修復されていく。
それもすごいスピードで。
「な?」
風が吹いた。
金髪で黒いローブを着た男は白紙のページがめくれるのを眺めている。
「・・・・・・」バズズは声も出せずに、黒いローブの男を見る。
「あったぁ。バズズ、みいつけた」と、金髪の下にある閉じられた目は開く。
くり抜かれていて、空洞が広がる。
「ひぃ、ひぃわ、あああああああああ」と、バズズは逃げ出す。
飛翔した。全速力で。全魔力を使った奥の手だ。
すでに20万キロは飛んだ。もう大丈夫だ。
バズズは後ろを向いて、追って来ていない事を確認して胸をなでおろす。
風が吹いた。
金髪で黒いローブを着た男はまた白紙のページがめくれるのを眺めている。
男の身長からは不釣り合いな大きな黒い本。
バズズは自分の後ろを振り向くことすらできない。
振り向けば死ぬ。
下半身が消えている・・・・・・。
「おわ、おわぁあああああ、いやだ、いやだぁあああああああああああああああ」
ポンっ。
風が吹いた。
黒い煙さえも消し飛ぶ。
「ボクの作った街を壊しちゃダメよ~。またねぇ」
金髪で黒いローブを着た男、ルキフグスはそれだけ言うと王都へ帰還した。
拒絶の悪魔、ルキフグス。
魔力の根源につながる存在。
END
という物語でした。
終わり。