1171番:魔の山(1)
- カテゴリ:日記
- 2021/07/06 06:44:19
魔の山 (1)
Erstes Kapitel
第1章
—————————————【1】———————————————
Ankunft
Ein einfacher junger Mensch reiste im Hochsommer von Ham-
burg, seiner Vaterstadt, nach Davos - Platz im Graubündischen.
Er fuhr auf Besuch für drei Wochen.
————————————— (訳)—————————————————
ある素朴な若者が夏の盛りに、故郷の町、ハンブルクから、グラオ
ビュンデンのダヴォス・プラッツに旅行に出かけました.
それは* 3週間の予定での訪問旅行でした.
————————————〘語句〙————————————————
das Kapitel {_s/_} (本の)章
die Ankunft {_/ナシ} 到着
einfacher (男混1)<einfach ❶簡単な、単純な
❷質素な、素朴な
英語版では unassuming (a) 「気取らない」、「控えめな」
と訳されています.あと、「つましい」「めだたぬ」(独和大辞典)
などもあります.これらを足して割った平均の意味ですね.
.「他愛ない」「屈託のない」「おとなしい」…どれでも合いそうです.
ただし作者は「まえおき」としてこの作品について述べており、
その中で、この青年(ハンス・カストルプ)は「単純な青年」である
とはっきり言っていますので、「ある単純な青年が...」 と、訳し
始めても全く正しい訳文であると断言しておきます.
ただ、ここでは「まえおき」がないので、読み手に違和感を与えないよう
「単純な若者」や「単純な青年」という訳は避けます.
der Hochsommer {_s/ナシ} 真夏、盛夏
die Vaterstadt {_/¨e}〘文語〙故郷の町
Graubündischen <Graubündisch √Graubünden (n) グラオビュンデン
(スイス東部の州)
Davos-Platz 辞書不掲載、ネット検索では、某旅行会社がダヴォス・プラッツ
観光の案内をアップしていました.
Davos [ダヴォース](n) グラオビュンデンの観光都市
der Besuch {_s/_e} 訪問 zu (またはauf) Besuch kommen 訪問する
このauf は「用向き」(~しに)(4格支配)
auf die Reise gehen / 旅に出かける
auf (前、3,4格支配)(ここでは4格)(予定の期間・時刻)
~の予定で auf eine Woche verreisen / 1週間の予定で旅にでる.
尚、本文中の auf は auf Besuch fahren 訪問旅行をする
für drei Wochen 3週間の予定で. fürにも「予定の期間・日時」
(~の間、~に)の意味があり、 für drei Woche zum Urlaub fahren
(3週間の予定で休暇に出かける)のように用いる.
————————————〘註釈〙————————————————
それは* 対応するドイツ語は er なので「彼は」が正しい訳ですが、
あまり忠実にすると fahren まで「乗り物で行く」と訳すことになる
ので、そこそこ意訳したいと思います.独検では、忠実な訳をしない
と不合格答案になります.Er fuhr auf Besuch für drei Wochen. を訳せ、
という問題が出たら、「彼は3週間の予定で訪問に出かけました」
尚、ここはreisen でなくても「訪問旅行に出かけました」でもいいと
思います.
[3週間も乗り物に乗って行ってくれば、それは旅行ですから]
——————————〔略号取り決め〕———————————————
——————————≪ごあいさつ≫———————————————
(2020年)2月来、ドイツ語学習を始めました.当初は、独検4級か
5級の受験をめざしていましたが、試験会場も閉鎖、検定開催中止となる
など、ますます先行きが見えなくなりました.コロナで失業したこの身の
上、今は、この学習に専念して待つことにいたしました.よろしくお願い
いたします.
せっかくですから、この学習ノートをみなさまと共有して、共に学習を
進めたいと思っております.何分素人ですので、各所にミス、思い違い、
誤謬が蔓延しているかと思います、どうぞ、ご指摘、叱咤激励を頂戴でき
ましたら、この上ない幸いでございます.
記事は学習後に投稿、投稿日は、毎週火曜日の予定です.
次回の学習記事投稿は7月13日(火)の予定です.