1185番:トニオ・クレーガー(4下)
- カテゴリ:日記
- 2021/07/11 10:36:18
トニオ・クレーガー(4下)
♦ hie und da ❶あちらこちらで(に)、❷ときどき
riß (過去)[新正書法はriss] <reißen ❶(他) 引きちぎる、はがす、引き裂く ❷(自) 裂ける、ちぎれる
frommen (形、強複3)<fromm ❶敬虔な、信心深い ❷善意の、
善意からの、誠実な
心のこもった❸無邪気な ❹信心ぶった、偽善の
ヴォーダンとかジュピター神のおん前なので、とりあえず
❶の意味に仮決めします.
(全体が把握できてから、あとで意味修正をします)die Mütze (弱) (つばのない)帽子
herunter (副) [ヘルンター] (向こうの上からこちらの) 下へ
Wotanshut (辞書掲載なし)
→Wodan + Hut = vo-dan ヴォーダン(最高神)(北方神話)の帽子
Jupiterbart (辞書掲載なし) → Jupite + der Bart[変E式]
= ジュピターの髭
gemessenⅠ (過去分詞) <messen 三変化(messen maß gemessen)
❶(他) (大きさ、長さなどを) はかる、測定する ❷(自) ~の長さ(大きさ、高さなど)をもつ
Sie misst 1.72m. / 彼女は背丈が1.72メートルある.
gemessen Ⅱ(形容詞)落ち着いた、悠然たる、品位のある、現然たる、
堂々とした
hinschreitenden (辞書掲載なし)→hin + schreiten hin (分離前綴り) むこうへ
schreiten (自/s) (ゆっくりと・歩調正しく・おおまたに・悠然と) 歩く、
der Oberlehrer (同尾式) ❶上級教師 ❷校長 ❸高校教諭
ここでは❶だが、さらに
①永年勤続の功労のある小学校教諭に与えられた称号(旧西ドイツ)
②功績の多い教諭に与えられた名誉称号(旧東ドイツ)
しかし普通にいう時はやはり単に「先生」と訳すのが自然だと思います.
————————————〘解説〙———————————————
* かぶっている帽子: die Mütze にはかぶっているという修飾語は
ないのですが、次のherunter が、いかにも頭から脱ぎ降ろしたイメ
ージを感じるので、意訳で付け足しました.独検のときは、余計な
蛇足はやめましょう.(減点されます.)
vor dem Wotanshut und dem Jupiterbart eines gemessen
hinschreitenden Oberlehrers...
ジュピターの髭の前では(急いで帽子を取去った.) ここは隠喩表現を
していますので、読み手側で「~のような」を補います.
「ゆっくりと威厳にあふれた歩調で歩いていく先生方のヴォーダンのよう
な神々しい帽子やジュピターの髭のような姿の前では...」
となりますので、初めに見たfromm の意味は「敬虔な→敬意をもって」
と少しやわらげて訳します.
西洋文学では、隠喩表現が出てきますので、修飾関係がぎこちない時は
読み手側で修正します.