1187番:さすらいの青春
- カテゴリ:日記
- 2021/07/12 16:01:14
さすらいの青春
———————————【97】—————————————
L'ouvrier fit remarquer, lentement, pour dire
quelque chose :
«Avec la jument de Fromentin on aurait pu aller
les chercher à Vierzon. Il y a une heure d'arrêt.
C'est à quinze kilomètres. On aurait été de retour
avant même que l'âne à Martin fût attelé.
——Ça, dit l'autre, c'est une jument qui mar-
che !...
——Et je crois bien que Fromentin la prêterait
facilement. »
———— ——————(訳)——————————
職人は静かに注意を促して、幾つか考え直すべき
理由を言った:
「フロマンタンの雌馬だと、ヴィエルゾンまで
でも迎えに行けるさ.向こうで休憩が1時間って
とこだね、15キロもの道だもの. マルタンさんの
ろばに繋がれた馬車よりも早く帰って来られるだろ
う.
——あいつは、ともう一人の職人が言った、なか
なかよく走る雌馬だよ!....
——それに、思うんだが、フロマンタンさんは雌馬
を快く貸してくれるだろうよ.」
——————————《語句》——————————
jument (f) 雌馬
fit (単純過去3単) <faire
faire remarquer ① (に)注意をうながす
(を)指摘する
faire remarquer une faute 誤りを指摘する
② 注目させる、目立たせる
Sa beauté la fait remarquer partout.
彼女は美貌のため、どこへ言っても目立つ.
lentement(副)ゆっくりと、静かに
avec (前) この前置詞は、条件法を述べるときの
条件節(si + 直説法)の代わりの句を導く.
「フロマンタンさんの雌馬だったら」
という条件句.そのあと条件法が続きます.
on aurait pu aller
これは条件法過去、すなわち、
avoir の条件法現在 + 過去分詞pu (pouvoir)
基本は過去の仮定ですが、この場合わざと、
「ああ、残念だったね、あの雌馬だったら
ヴィエルゾンまででも行けたのによ~」
(今からでも馬を変更したら、出来るよ)
と、一種のアドバイスをしている.
* 馬はすでにマルタンさんの馬になっていたから、
条件法過去が成立します.
Vierzon (ヴィエルゾン)は ブールジュから北西へ
約30キロ行った町.一方、フランソワたちが
迎えに行く駅は片道15キロの道のりである.
arrêt (m) 停止、停車
âne (m) ろば
attelé.[アトゥレ](過去分詞) <atteler (馬などを)(車、鋤)につなぐ
fût attelé (接続法半過去)
être de retour (1) 戻る、帰って来る
Mon père sera de retour dans une semaine.
父は一週間後に戻るだろう.
même 同じもの、ここでは同じ馬車
同じ場所でもそばにつないだマルタンさんの馬車
より先にフロマンタンさんの馬につないだ馬車が
戻る、という意味です.
même の次のque は関係代名詞
que l'âne à Martin fût attelé
マルタンさんのろばが繋がれたとした同じもの(馬車)
接続法なので、繋がれると仮定した場合という
ニュアンスを持っています.
prêterait (条件法) <prêter (他) (物を) 貸す
条件法になっているのは控えめの表現のため
「簡単に貸してくれるんじゃないかなあ」