Nicotto Town



【おすすめ】As if drifting

世の中的には、これが評価されてるとは思えない。というか、わたし個人としても、これが音楽的に優れていると思うかと問われれば、たぶん「別に」と答えることになるのだろうと思います。

Steve Hiett 
Down on the road by the beach

邦題は「渚にて」

先ほどの通り、これは音楽的に優れているとは思いません。凡庸なアルバムだなと思います。まとまりもないしね。

ただ。
このアルバムを聞くと、わたしは何となく焦燥感にかられるのです。

若かったころ、夏と海に何となく疎外感を持っていました。上手く言えませんが、自分が何者かわからず、これからどこに向かおうとしているのか分からず、しかしどこかでいい加減で流れ任せの時間の中で、先の長い人生に対する霞に包まれたような、柔らかでとりとめのない甘ったるい不安感。

「渚にて」これを聞くと、その頃に引き戻されていくような気分になってしまうのです。だから、このアルバムがお勧めなのかと問われれば、全くお勧めではないのですが、なんとなく取り上げてしまいました。

夏は、いつまでたっても居心地が悪いなと思いつつ、その居心地の悪さが、私が夏が好きな理由なような気もするのですが、そんなこんなでまた夏が過ぎようとしているけれど、まあいいさ。




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