夏を見送って
- カテゴリ:小説/詩
- 2021/08/27 09:56:37
セミの鳴き声が聞こえない
もはやそんな季節か
秋の虫が精一杯なく
夏から秋へと季節は移ろって行く
あなたと行った縁日も
楽しい思い出となった
タコ焼きを笑いながら食べたわね
そんなことすら忘れない
一夏の1ページ
あなたと歩いたその道を
もう一度歩きたかった
何度も何度も手をつなぎながら
どこまでも歩きたかった
でも私の手は空虚
あなたと出逢って
愛をこころに秘めて
一緒に高めて行きたかった
でももうできない
愛は離れていく
もう終わり
何度も言い聞かせた
やっと心を押さえつける
私の心はまだ
あなたを追いかけているけど
さようならは言わない
さようならは言えない
別の誰かが
私の心に愛を灯したら
あなたを忘れる事ができたなら
誰に告げよう
この想いを
行ってしまったものは
帰ってこない
秋にこの身をまかせながら。
誰を信じたらいいのだろう
あなたとの月日が遠ざかっていく
手の届かないどこかへ
秋の街をさまよう
独り幻を見つけようと
すれ違う人に
あなたの名前をつぶやきながら